人喰い鬼のお愉しみ (新しいフランスの小説)
人喰い鬼のお愉しみ (新しいフランスの小説) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
恋をしては子供を産み、家に置いて新しい恋に踏み出すママンの代わりに、父親違いの兄弟4人、ついでに下水道からやってきたみたいなすさまじい臭いの犬ジュリエスの面倒を見ているマロセーヌは90年代の有名ドラマの台詞「そこに愛はあるのかい?」に答えるまでもなく、愛に溢れている。徹底した個人主義というイメージが強いフランスにしては、マロセーヌはかなり日本人的なキャラクターだ。超個性的な家族に囲まれてデパートの苦情処理係をしているパンジャマンに災難がふりかかる!コメディタッチのミステリー。
2019/05/06
かもめ通信
デパートの品質管理係を勤めるマロセーヌの周りで連続して起きる爆破事件。混雑する店内で起きる爆弾騒ぎの近くにはなぜかいつも彼がいる?!怪しげな仕事も手伝って、マロセーヌに容疑がかかる?!ジャンルわけするならばユーモア・ミステリになるのだとは思うが、さすがに発表当時フランスでベストセラーになり、シリーズ化された作品というだけあって、それだけにとどまらない+αの魅力がいっぱいつまっている。丁寧かつ魅力的に描かれた登場人物達に加え、シニカルで、ウィットに富み、洒落ている、そんなミステリがお好みの方にお薦めの1冊。
2015/01/04
shiaruvy
【1996.02.10 2刷】 タイトルに惹かれ\2,600-で衝動買い。 仏蘭西文学ならではの面白さで当たり引いた!
2017/09/03
orihara
昔テレビのフランス語講座で講師が「ダニエル・ぺナック読んでみて!」と言ってたのを思い出して読んでみた。 いわゆる海外文学モノはその文化や時代背景がわかってないと訳分からなくって困ることが多い…まだまだ勉強不足だなぁ。わからないことが多いながらも面白かった。
2012/10/15
グーグー
コメディータッチのミステリーと言うことだったので、読んでみた。初めのうちは人間関係が見えないし、暗喩や比喩が多用され、いくつもの「?」が浮かんできた。グロテスクくな描写もあって、ちよっと辛く、なかなか読み進められなかった。しかし、犯人が気になって最後まで読んだ。登場人物は、奇人、変人ばかり。ママンがステレオタイプのフランス人なのに、バンジャマンはどちらかと言えば気遣いの人。ブラックなユーモア満載なのに、いまひとつ笑えなかった。でもラストでは思わず笑った。バンジャマンの苦労は続く!
2019/12/13
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