さくらんぼの性は (新しいイギリスの小説)
さくらんぼの性は (新しいイギリスの小説) / 感想・レビュー
ミツ
2作目に読むジャネット・ウィンターソン。前に読んだ彼女の作品と同じく、本作もまた魅力的な書き出しによって私を見事に物語の世界に惹き込み、最後にはとんでもないところへと連れていってくれた。清教徒革命時代から現代まで、エロスとグロテスクに彩られたイマジネーションの渦の数々。時にロマンティックに、時に思弁的に、相互に脈絡を欠きながらも複雑に回転しながらぶつかり合う複数の可能性たち。筋を追わせないアンチ・ドラマでありながらも、物語の持つ力の底知れなさを感じたのは果たして何故だろうか。
2014/10/13
たぬき
身も心も巨大で強く揺るがない、どんな男も簡単に捻り殺してしまえるドッグウーマンに惹かれる女性は多いはず。女性科学者の内側に棲む大女は私の内側にも棲んでいる気がする。バラバラな順番で語られる不思議な旅の物語は幻想的な詩集を読んでいるような心地好さがあった。特に好きだったのは、それぞれの理由で夫から離れた12人の踊るお姫様の挿話。
2021/06/16
だけど松本
なんだか全然わからん。
2021/09/28
pio
面白かった。どのページも面白くて、文を読んでるだけで喜びを感じた。哲学的だった。
2018/04/17
AR読書記録
この作者は、ほんとうに息を吐くように物語を紡ぎだす人なのだな、と思いながら読んだ。泡のように次から次へと物語が生まれ、消えていく。中には二重三重になった泡もあり、その内側に現実が隠れていたりする。ただその荒唐無稽でもあり、美しくもあるイメージに浸ってよしとするか、と思うと、しかし目をそらせてはいけない大事なことを示していたりもする。最後のほうの展開でさすがについていくのが難しくなってしまったけれど、まあ仕方ない。割れたステンドグラスを集める女たちの話が、直球すぎてこの中では異質な感じはするが、すき。
2014/03/05
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