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豚の死なない日

豚の死なない日

豚の死なない日

作家
ロバート・ニュートン・ペック
Robert Newton Peck
金原瑞人
出版社
白水社
発売日
1996-01-01
ISBN
9784560045862
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豚の死なない日 / 感想・レビュー

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美紀ちゃん

やらなければならないことをやるということ。「胸がつぶれそう」と言ってロバートは大人になった。豚につけた名前はかわいい。ピンキー。悲しみを乗り越えて少年は大人になる。お父さんの事もたんたんと描いてあるけど、13歳には、辛い出来事のはず。神様聞いてください。貧しいってことは地獄です。「続、豚の死なない日」も読んでみようと思う。

2012/10/24

taku

少年はいつか大人になる。質実な生活だが温かい家庭で育つ少年の世界は、素朴で純粋な輝きがあった。でも、時は悲しく少年のままで過ごす日々を奪う。どうして大人になる?おまえしかいないから。宝物を棄てること。大きな存在を失うこと。やらなければならないことをやり遂げ、少年は残酷な現実を受け入れる。誠実な仕事のにおいを作り出していた道具の把手を、働く手が金に変えたように美しいことを知る。「神様、聞いてください」「貧しいってことは地獄です」。豚の死なない日、少年は一人前の男になる。

2016/07/26

やまぶどう

「豚の死なない日」というタイトルはそういう意味だったのか。ひょっとすると動物でお涙頂戴なのかとびくびくしながら読み始めたのだけれど、この作品はそこまで単純な物語ではなかった。この飽食の時代に、大地に根ざし質素な生活を土台としたシェーカー教徒の家族の物語は、真に豊かな生活とは何か、生きていくために必要なこととは何か、幸福とは何なのかを問いかける。アメリカで売れたのもうなづける。蛇足だけどYAというカテゴライズの意味がよくわからない。そもそも文学にそんな細分化が必要なのか。

2009/07/19

はち

12歳の少年ロバートの一家はシェーカー教徒。父は豚を潰し、酪農、農業、猟をして生活している。「なくてもすむものを欲しがるな!」大地の掟を父から教わりロバートは大人へと成長していく。15年以上前に読み衝撃を受け、再読しても色褪せない。感動とも共感とも少し違った、とても心に響く一冊。

2018/07/15

Wisteria

古い慣習に従う宗教を信仰する家庭の子供は大変だな、と思いながら読み始めたが、両親が素晴らしく、ロバートも無邪気ながら立派な少年で、緩やかな物語がじんわりと響いた。ピンキーを殺し、そして父親の死期が迫ってからは涙が止まらなかった。生きるとはなんと辛いことか。美しくもあり。

2020/02/27

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