豚の死なない日 続
豚の死なない日 続 / 感想・レビュー
がぁ
前作に劣らず胸に響く作品。13才にして一家を背負って、銀行のローンや税金にも心を折らなければならない。母や伯母を労り、世間へ打って出て行く少年の健気な明るさを微笑ましく思ったり、ひどく辛くなったりする。この作品を通して、少年がさまざまな「隣人たち」から支えられ、少年も力の限り手助けをして、みなが供に生きていく様子が描かれ、厳しい時代背景も感じさせながらも、人の生きる強い力を読みとることができる。傑作です。
2012/03/03
omasa
父は死んだが、父の教えがロバートを強く支えている。心の中に生き続けるというのは正にこういうこと。種まきの畑で、父さんが歩いた道を歩くのが誇らしかったと言っている。トウモロコシ畑に水を運ぶ時、父さんの言葉を思い出して頑張った。「仕事をやめるのは疲れたときじゃない。仕事が終わったときだって」現代と比べてしまう。多様な情報はない、だから父や隣人を素直に信じた。娯楽がないから、若い男女はすぐに結ばれ子をなす。動物たちの交わりを見て育つことも一因?亡くなる子も大人も多い。生きるために皆働かなくてはならなかった。
2021/07/02
yurari
ある意味でマルコム先生は、自分では気づいていないかもしれないが、ほんとうの農夫なのだ。かたい決意をもって種をまいている。収穫するのはぼくたちだ。先生をみると、先生以上の何かを感じる。ある意味では、戦士のようだ。でなければろうそくに似ている。敵はぼくたちの中にある闇だ。
2019/08/31
四男の母
ロバートが、大変な状況でも前向きにちゃんと生きている姿が素晴らしい。大恐慌でもっときついことになるだろうが、きっと乗り越えてくれるだろうと思う。ずっと続編読むのをわすれていたが、読んでよかった。
2017/11/30
Zen-zen
正編から22年後に書かれたこの続編と合わせて、実質一つの作品。「豚の死なない日」は短いこともあり、正直ピンとこなかったが、続編では前作で播かれた種が育ったようで、途中から泣けて泣けて仕方なかった。貧しいが心の豊かな人たちが、助け合いながら誇り高く生きていく姿を描いて、サローヤンの「人間喜劇」にケストナーの「飛ぶ教室」、そしてインガルス・ワイルダーの“インガルス一家の物語”を合わせたような感動作。
2013/06/16
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