フィッツジェラルドの午前三時
フィッツジェラルドの午前三時 / 感想・レビュー
長谷川透
フィッツジェラルドの最高の理解者によって書かれた良書。日本では村上春樹がフィッツジェラルドの理解者、紹介者として有名ではあるが、ロジェ・グリエも負けていない(個人的には春樹の『ザ・フィッツジェラルド・ブック』より好き)。なぜ絶版なのか、なぜこれほどまでに日本で読まれなかったのか大いに疑問である。タイミングの問題もあるかもしれない。例えば今この本が復刊されれば多くの読者を獲得するのは間違いない本だ。春樹の紹介や、『ギャツビー』の映画のフィッツジェラルド熱は高まっているのだし。白水社さん、いい機会ですよ。
2013/06/11
刳森伸一
フランス人小説家ロジェ・グルニエによるフィッツジェラルド伝。フィッツジェラルドに関する事件を時系列に沿って説明するのではなく、テーマごとに数頁から十頁程度でまとめるスタイルで小説家としての側面や個人としての側面などを多角的に描きだす。迷惑な性格のフィッツジェラルドが好きになり、フィッツジェラルドの小説やエッセイが読みたくなる快著だと思う。
2018/08/01
ゆきを
スコット・フィッツジェラルドについて知りたいと思う時、是非開いていただきたい。ショートショートな構成だが、一つひとつ検証を重ね想像力を足して書かれたんだろうと読んでいて好ましい印象。何が彼を不安症に掻き立てたのか、何を成したいのか、何と繋がっていたいのか、不足する部分と過多な部分を少し垣間見れる。良い資料だと思う。
2018/07/01
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