ヴィヨン詩集成
ヴィヨン詩集成 / 感想・レビュー
april-cat
久しぶりにヴィヨンを読みたくなったのですが、自宅のは古い岩波文庫しかなくて、いかにも訳が古すぎました。この本は近隣の図書館になく、迷ったあげく天沢さんだし、きっと大丈夫だろうと信じて密林でぽちっと。今朝頼んだのに、夕方6時には届いた!密林凄い。いや、密林はどうでも良いのですが、この本は素晴らしい。ヴィヨンの素晴らしさが生き生きと現代に蘇る偉業です。さすが白水社創立85周年記念出版だけあって、志が高い。嬉しい本です。高い本ですが、公立図書館はぜひ買っておいて欲しいと思います。
2013/02/11
SIGERU
「わたしはフランソワ ――このことがとにかく辛いんだ―― 生まれはパリ、ポントワーズの近く。さて、長さ1トワーズの綱につるされて 首のやつ、臀の重さを悟るだろう」。殺人罪により縛り首の死刑宣告を受けてなお、ブラックな諧謔を弄する、この放胆さは何なのだろう。フランソワ・ヴィヨン。中世を、いや、全フランス詩を代表する、放浪の悪党詩人。泥棒にして殺人者。私もまた、伝説という色眼鏡を通じて彼をみていた。今般、天沢退二郎氏の名訳を得てヴィヨンの全貌に触れ、あらためて、この詩人の怖るべき才能に驚嘆している。
2017/03/18
桜井夕也
「詩を作れ、ギャグをとばせ、シンバルを叩き、フルートを吹け、人を欺く厚かましい道化みたいに。こっけい芝居をやり、混ぜっかえし、舌先で人を操れ。街々で、城内で、やってのけろ。笑劇や、人情芝居や、教訓劇を。さいころ博打やトランプや柱戯で稼ぎまくれそれからそれから……まあ聴けよ!すべて、居酒屋と淫売宿で消えちまう。」
2014/02/19
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