カフカ小説全集 (2)
カフカ小説全集 (2) / 感想・レビュー
シッダ@涅槃
図書館本。訳者違いの再読。大学のとき哲学の先生が「授業を座って受けず立って歩いて小教室を出て行く自由はあるのに、なぜそうしないのか?」と問うた。そこに皮肉や意地悪さはなく、授業の流れとして問うたのだった。この問いは有名な「掟の門」の逸話に辿り着くが、僕が驚いたのはその直前主人公ヨーゼフ・Kが教誨師に呼び止められて結局「掟の門」の話と議論を聞き、混ざってしまうことだ。当然立ち去る自由はあり、また「苛立っていた」「疲れていた」「呆れた」など理由付けしてもいいのだが、立ち去らない……(立ち去れない)。
2022/12/26
秤
「だれかが謗ったにちがいない。悪事をはたらいた覚えがないのに、ある朝、ヨーゼフ・Kは逮捕された」読み終えて、しばらく唖然とした。わからないまま読み進めて、遂にわからないまま終わってしまったからだ。不気味なことに、その最中は展開に対する疑問が次第に消えていた。失踪者(アメリカ)と比べると、流れが掴みにくい。場面がそれぞれ独立しているように思えて……実際、カフカの友人であり編集のマックス・ブロートがしたように、順序を入れ替えて出版することが可能だった。ケラケラ笑えて、情緒不安定(感情>理性)で自己愛の強い→
2019/06/09
ホレイシア
やっぱり昔はわかってなかったよ。ある程度の年を経てわかることってあるんだな。
2008/09/04
hirayama46
カフカを語られる際によく使われる言葉である「不条理」のかたまりのような作品。まったく合理の通じない狭い世界を仔細に描いた筆致はなかなかよそでは味わえないものでした。/この全集は、最終的に作品に用いられなかった断片も収録されているのが良いですね。ああでもないこうでもない、と試行錯誤する過程が興味深いです。
2017/05/14
TomohikoYoshida
銀行の支配人Kは、下宿に押しかけてきた監視員に逮捕を宣告される。しかし、収監されるわけでもなく、銀行員としての日常を過ごし、ときおりどこかのアパートの屋根裏にある裁判所に呼び出され…。 カフカの小説の中で、一番好きなのがコレ。
2016/10/27
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