ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日
ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日 / 感想・レビュー
ぱせり
緑の海に無数のてんとう虫!鮮やかな残像。そして思うのは、退屈な町なんてないし、退屈な子ども時代もないのだ、ということ。
2009/07/15
星落秋風五丈原
太っているだけの少年を見るために大半が並ぶのだから、町の日常がいかに単調か窺い知れる。そしてそんな田舎町で、彼がどんなに目を引く存在であるかも、レオナルド・ディカプリオ出演映画『ギルバート・グレイプ』の母親を思い出してもらうといい。のどかな田舎町も、1971年真っ最中だったベトナム戦争と無縁ではない。妻の自立に戸惑う夫の映画『クレイマー、クレイマー』が登場するのは8年後である事を考えると、葛藤を一人で飲み込み母を悪し様に言うトビーに、彼女の幸せがある事を言ってきかせる父のキャラクターはかなり稀有な設定。
2006/05/30
がぁ
いやぁ、これもすごかった。終盤に絵が見えるような状景があるが、何と美しい。貧しい言葉では表せないほどの感動。すばらしい。
2012/05/16
おーうち
1971のテキサス。12歳の少年たち。見世物のザッカリービーヴァー。翻訳も素敵だと思う。楽しく明るい文体で悲しこともすらりと読もせてくれる。湖でのバプテスマがハイライトかな。感動する。
2018/08/31
AR読書記録
登場人物たちはみんな、ちょっとずつ弱くて、でもそれを自分の中だけに抱えて、他人に気づかれないようにと思いながら生きてる。隠すのは、心配をかけないようにだったり、格好をつけるためだったり、怖かったり、さまざまな理由があるけれど、でも実際それが表に出た時に、本当に他人に気づかれては困ることなのか。そんなことはないんだよね。自分が恐れているほどにはそれはおおごとではないし、まわりの人も恐れを理解した上で、少しでも楽になれるように手助けしたいと思ってる。小さなコミュニティだからかもしれないけど、すてきな世界。
2018/08/13
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