人喰い鬼のお愉しみ (白水Uブックス 136 海外小説の誘惑)
人喰い鬼のお愉しみ (白水Uブックス 136 海外小説の誘惑) / 感想・レビュー
ケイ
長兄のマロセーヌは異父妹弟5人の面倒を見ている。母は常に男を作って家出中。強すぎる個性の受容、近親相姦的な妹への愛、アムール=セックスへの寛容、同性愛者の理解。小児愛、カニバリスム。これは留学中に辞書を引きながら読んだのだが、あまりにも奇天烈なために平易な文ではあるのに、自分の勘違いかと何度も読み直すこととなった。ついにこの独特なユーモアを解すると、わき上がったフランスミステリ万歳との感動。フランス文学によく出てくるテーマで辟易する「スケープゴート」の思想が、最高にシュールな形であらわされている。
2016/01/14
ひらちゃん
バンの家族の個性的な事。スケープゴートって仕事。デパートの従業員も客もぶっ飛んでる。あらゆるとこにパロディが顔を覗かせてる。これがフランスユーモアなんですかね(笑)理屈とか何にもかも忘れて読めて面白かった。
2017/09/25
藤月はな(灯れ松明の火)
様々な男と関係した母に捨てられた子供達は強かにしぶとく、生きていた。ある日、長男バンが働くデパートで爆破事件が。その事件についてバンは知っていて・・・。血みどろブラックだけど爽やかな家族小説。天才、同性愛者、神憑りの占い凝り、妊娠中などの灰汁の強い一家の大黒柱として働くバンの長男故の気苦労とトホホぶりは共感させられつつも迷惑を掛けながらも彼を思い遣る兄妹達にホロりとさせられます。特に警察に「臭い」と言われながら追いかけられる飼い犬、ジュリユスに笑わされてしまいました。
2014/10/09
ふみ
もちろんフィクションなんだけど、さらにきっついドライブかけられてミヒャエル・エンデみたいになってるwめちゃくちゃおもしろかった。
2017/09/11
Ayah Book
デパートで起こる爆弾殺人の謎を追う苦情処理係の物語。痛快コミックミステリ、と背表紙にあるが、フランスのユーモア感覚がいまひとつ分からず、ノリについていけない場面もしばしばあった。映像で見れば、多分もっと面白く感じたのだろう。奔放な母にネグレクトされている幼い弟妹を育てる(?)主人公の日常描写が中心で、あまりミステリ色は強くない。最後まで読むと、まあ読後感は悪くなかったなと思う。
2024/01/09
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