すべては消えゆく (白水Uブックス 141 海外小説の誘惑)
すべては消えゆく (白水Uブックス 141 海外小説の誘惑) / 感想・レビュー
かんやん
著者の趣味・嗜好・美学を保証するのは綿密で凝った文体なのだろう。それを翻訳者は「魔術的、催眠的」といい、「マニエリスム小説」と呼ぶのだろう。己の美学のなかに閉じ籠った者のみが達し得る完成があるのかもしれない一方、はっきりいえば滑稽でもある。現実との葛藤、現実への批評がなければ、ファンタジーは空疎なものとなる。ラストは置いていかれ、ぽかんとしました。
2015/01/01
勉誠出版営業部
アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの『すべては消えゆく』を読了。遺作になった作品とのことですが、これまで読んだものが幻想小説に近かった一方で、今作は戯曲のような感じの作品。ストレートなエロスと暴力が同居し、集大成かと。
2012/02/18
未羅
冒頭に見られる遠近法的記述が名文。女と出逢い、街を散策する場面までは感嘆させられるが、契房以降は説明が勝ちすぎている印象を受ける。現在、過去、そして起こり得た未来を併置した冒頭の文だけで事足りるように思えてしまう。
2012/02/17
世玖珠ありす
この本の感想とは別に、仙台市に住む私にとって、一生忘れられない一冊となりました。震災当日あたりに読み終わるはずだった本のタイトルが『すべては消えゆく』。津波の映像と共に一生忘れないでしょう。
2011/03/18
三太郎
難しい漢字が多かったので漢和辞典を横に置き逐一引きましたがまったく載っていませんでした。それ以外ではストレスもなくけっこう楽しめた。
2022/05/04
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