マーティン・イーデン (白水Uブックス)
マーティン・イーデン (白水Uブックス) / 感想・レビュー
キムチ
500頁、重かった。名訳なので読み易いが内容はそうさせてくれず、咀嚼しながら読み「下した」筆者本、3冊既読だが、自伝ともいわれるこの作、血反吐感満載。実際、1916(世界中が暗闇)尿毒症と長期多量のモルヒネ摂取により死去した人物。私みたいなちゃらんぽらんからすると生きるのに苦しかった、しかしそれは宿命だったのかなんて感じ入った。諸々の社会条件の相違する女性ルースとの出会い。美と教養に衝撃を受け自ら、文学への道を歩み始める。ラスト「人は死して自然に還る」ごとくあっけなかったが。最後に心通じ合ったプリセンデン
2023/06/28
風に吹かれて
労働者階級というより下層階級出身のマーティンは恋した上流階級の女性にふさわしい人間になろうと独学で勉強し詩や小説、社会評論などを書き世に認めてもらおうと奮戦するが…。 いくつものエピソードがそれぞれ素晴らしい短編でもあり、読み終えたときの満足感は大きかった。人間の世の重さがずっしりとのしかかってくる作品であるが、作中のマーティンの日々が読み手を励ます。 →
2023/09/11
無能なガラス屋
「自分の周囲のいっさいの生あるもの-腐りかかった野菜や石けんの泡のにおい、姉のだらしない姿、ヒギンボサム氏のあざけり顔-が、夢であった。実際の世界は頭の中にあったから、彼の書く物語が、その頭から生まれ出る数多くの現実の断片なのであった。」
2022/11/26
geromichi
良い小説でした。
2022/09/07
たけお
長編小説。とても壮大な物語だった。小説の弱さを知り、作家の弱さや周りの変化というものが、人間の色彩そのものであった。小説は何も変えはしない。普通に生きるには、本を読まない方が良いのかもしれない、と考えてしまった。しかし、それでも本は読まずには居られない。何のための本なのかをもう少し考える、きっかけをくれた。
2022/10/31
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