日々の暮し方 (白水Uブックス 1032 エッセイの小径)
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日々の暮し方 (白水Uブックス 1032 エッセイの小径) / 感想・レビュー
ころこ
連作のエッセイで、各エッセイのタイトルのはじめに「正しい」が付いています。この「正しい」は、本書のタイトルである「日々の」と対立しています。自動化された日常の視点を異化すると共に、「日々の」問題点がずらされ、それを今度は自己言及的に「正しい」が問われていきます。「正しい」行為の労力は実はとても容易く、その行為までのハードルは物理的なものではなく象徴的なものであるというイデオロギー批判にもなっています。読み終わると、読者にとって「日々の」意味が変わっており、「正しい」との対立も解消されています。
2020/03/20
どらがあんこ
全速力で日常の事象を遠回りして、気がつけばにやにやしながらそれぞれの章を読み終わっている。度が過ぎると遠回りも倦んでしまうけど、そうならないギリギリでとどまっているのがいい。
2021/05/05
きりぱい
「問題は、一気にやってくるのではなく、少しずつやってくるという点にある。」とは正しい禿げ方での話。そもそも禿げ方ってコントロールできるの!って話なのだけど、軽いジャブにもうやられて、ふふ、可笑しいなあ、もう。毒気ののぞく理屈で攻めてこられ、それを考える必要があるのかナンセンスなテーマまで面白い。正しい日記の付け方なんて、現代ならネット発信の類に置き換えても、中毒のくだりなどよくわかる。あとは、正しいお散歩の仕方、正しい風邪のひき方、正しいお別れの仕方、正しい身の隠し方、正しい立小便の仕方が面白かった。
2012/04/07
yu-cha
舞台作品になると聞いて読む。エッセイを舞台に翻案?・・・でもたしかに「言われてみれば」。正しいお辞儀?正しい所作を求めて、読みながら動きたくなる本、かもしれない。「言われてみれば」。舞台が楽しみ。※全45章の連作に【正しい笑い方】が2回出てくるのが興味深し。
2012/10/22
merry
20年以上前に書かれた本なのに、現代にも通じる所もあり、楽しんで読めました。
2012/07/21
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