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屋根の上のバイリンガル (白水Uブックス 1034 エッセイの小径)

屋根の上のバイリンガル (白水Uブックス 1034 エッセイの小径)

屋根の上のバイリンガル (白水Uブックス 1034 エッセイの小径)

作家
沼野充義
出版社
白水社
発売日
1996-03-01
ISBN
9784560073346
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屋根の上のバイリンガル (白水Uブックス 1034 エッセイの小径) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

著者の沼野充義氏はロシア・ポーランド文学の研究者。タイトルは、もちろん『屋根の上のヴァイオリン弾き』のもじり。劇作家のショーレム・アレイヘムは、まさにイディッシュ文学の旗手だったからだ。本書は、著者がそれは自分の専門ではないと言うのだが、言語学の楽しみ満載のエッセイ。前半はアメリカの中のロシア、ポーランドを巡るのだが、驚くほど随所にあるものだ。後半は人称代名詞について述べつつ、それぞれの節ごとに別の人称代名詞で語ってみせるなど、なかなかに心憎い演出も。たしかに、1人称を変えただけで文体は変わるものだ。

2014/12/18

あきあかね

 帝政ロシア領のウクライナに暮らすユダヤ教徒の生活を描いた映画『屋根の上のバイオリン弾き』は、劇中歌の「サンライズ·サンセット」の哀愁と夢幻を帯びた旋律が忘れられない。本書のタイトルはこの映画を下敷きにしているが、ロシア、ポーランド文学を専攻し、中·東欧のユダヤ人を中心に話されるイディッシュ語も学ぶ著者らしいネーミングだ。 言葉をめぐる、著者の海外での体験が軽妙に生き生きと描かれる。例えば、ニューヨークの片隅の小さな食料品店で耳にしたクロアチア語。著者がごきげんいかがとスラブの言葉で挨拶すると、⇒

2020/08/09

ちゃっぴー

アメリカでのスラブ系移民の文化や言葉、イディッシュ語についてなど言語についてのエッセイ。日本では「バイリンガル」は、カッコいいイメージ。しかし他の国では、そうではなく、マイナスのイメージ。空港でドストエフスキーの肖像画のプリントされたトレーナーを着ていた沼野さん、ぷっと笑いました。

2015/01/16

timeturner

「バイリンガルはかっこいい」というチャラチャラした薄っぺらなイメージを考え直させるエッセイ集。沼野さんの言葉に関する好奇心、あらゆる偏見から自由で、すべてを同じ重さのものとして水平に見られる目が素晴らしい。

2020/07/01

ポテンヒット

バイリンガルについて考えさせられる本。著者曰く、1.日本語を必要以上に特別扱いしてはいけない2.英語が国際的に通用度の高い言語であることは確かだが、英語だけが外国語ではない。当たり前のことだが、案外日本語は難しいから外国人が覚えるのは大変よね…などと無意識で思ってしまっているかもと気づかされた。

2020/06/12

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