ポケット・フェティッシュ (白水Uブックス 1045 エッセイの小径)
ポケット・フェティッシュ (白水Uブックス 1045 エッセイの小径) / 感想・レビュー
安南
著者の小説はほぼ読んでいたけれど、このエッセイの存在は知りませんでした。タイトルはポケットにテッシュを。ではなくフェティッシュを。〈ささやかなものごとへの愛着〉について。とても穏やかな優しい気持ちにさせられました。もしも、わたしが若い娘だったら、恋人にぜひ読んで!とお願いしちゃうな。最終章の写真家ベッティナ ランスについての考察に著者の性的感受性の「まっとうさ」が現れています。いい本です。
2013/05/03
王子
著者の非=性器的性愛に対するこだわりは本書にあってはかなり徹底的であり、ここまでやられるともはや清々しささえ感じる。あらゆる快楽が性器に収斂する権力的な性関係にとらわれている、とりわけ男性としてのぼくにとっては、ささやかな解放であった。ひとつひとつのエッセイが短く、いつでも拾い読みができるのが魅力。著者の考えを鵜呑みにし、自身のいわば性器とすることがないよう肝に銘じながら。
2017/09/11
Toshi
性的テーマに終始した松浦理英子エッセイ、松浦さんらしい感性、良かった。今読書メーター登録の段階で再読と気付いた。このテーマで松浦さんだと、本屋さんで出会うと、やっぱ買ってしまう。しかし完全に忘れてた。
2017/07/22
なめこ
著者の感性と美学に全幅の信頼を寄せている私のような者には安心して読むことができ、また新鮮な驚きのある一冊だと思います。性器中心主義への批判とともに語られる皮膚の感応にまつわる一節にはうならされます。松浦理英子ほど「健全」な性的感覚を持つ人を私は知りません。
2013/10/12
わたなべ
辛気臭い人生観などファック・オフ!娑婆の女にゃ絶望も愛も足りなくて暴動一つ起こせねえ!
2017/05/03
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