コルシア書店の仲間たち: 須賀敦子コレクション (白水Uブックス 1053 エッセイの小径 須賀敦子コレクション)
コルシア書店の仲間たち: 須賀敦子コレクション (白水Uブックス 1053 エッセイの小径 須賀敦子コレクション)
- 作家
- 出版社
- 白水社
- 発売日
- 2001-10-01
- ISBN
- 9784560073537
コルシア書店の仲間たち: 須賀敦子コレクション (白水Uブックス 1053 エッセイの小径 須賀敦子コレクション) / 感想・レビュー
るんるん
美しい文章なので言葉ひとつひとつを味わいたくなる読書でした。コルシア書店の情熱のかなめのダヴィデ、テレーサの存在感、思索のかたまりカミッロの恋、家族の悩みをもつガッディのことなどのコルシア書店の人々の物語が上質なかなしみをもっている。こころやすまる共同体は徐々に失われていくのだが、それは家族の喪失に通じるところもあるなと思ったり、孤独の確立で結ばれる言葉には哀愁の灯りがともっているようにも感じられました。
2014/10/22
まおまお
初の須賀さんの作品なので、まだまだわかっていないことが多いのだろう、と思いつつ読み終えた。とても知的で地に足がついた言葉を使う、という印象をもった。本当の優しさを知っている方なのだろうな。
2016/04/08
繻子
文章がとても美しい。どう言い表せば、おおげさでなく、たくさんの人の、人それぞれの深いところや、内面でなく行動から、人間と思い出を整った文章で描けるのか、磨いた文章だと読む度思います。カミッロも、ダヴィデも、ルチアも、ご夫人方も、勿論ピーノも、好きにならずにはいられない。かつての共同体が、ただの重荷になってしまったルチアの話、その話の中で語られるカミッロのエピソードが、どうしても好きです。
2014/09/30
Salt-f.J
1998年に他界された須賀敦子さん。その生涯で一番苦しく、しかし一番充実していた瞬間、それがこのイタリアはミラノでのコルシア書店で働いていた時だったのだろうと想像する。お人柄を偲ばせる上質で品のある文体。どんな方だったのかなぁ。一度お会いしてみたかった。
2015/01/12
Tink
イタリアのミラノにある書店とかかわりをもった日本人女性が、出入りする友人たちとの思い出を美しい文章で綴っている。客観的な視点をもちつつ、情感を抑えた筆致がすばらしい。
2016/01/29
感想・レビューをもっと見る