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サッカーが勝ち取った自由: アパルトヘイトと闘った刑務所の男たち

サッカーが勝ち取った自由: アパルトヘイトと闘った刑務所の男たち

サッカーが勝ち取った自由: アパルトヘイトと闘った刑務所の男たち

作家
チャック コール
マービン クローズ
実川元子
出版社
白水社
発売日
2010-05-01
ISBN
9784560080641
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サッカーが勝ち取った自由: アパルトヘイトと闘った刑務所の男たち / 感想・レビュー

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壱萬参仟縁

2008年初出。南ア全土に白人専用という標識。すべての公共施設は白人用と非白人用に分けてつくられた(19頁~)。見た目にこだわる人権侵害の数々。アパルトヘイトによる階級差別は白人の間にも厳然とあった(88頁)。受刑者と国際赤十字からの圧力のおかげで、刑務所には小さな図書室 がつくられた。しかし、ぼろぼろになった本が2,3の本棚に並べられているだけ。三文小説と聖書だが、大学図書館から本を寄贈してもらい、本土の図書館から貸し出してもらう権利を得たおかげ(91頁)。 

2014/10/20

風見鶏

刑務所内の描写は「ショーシャンクの空に」を思い浮かべるような内容だった。アパルトヘイトという政策のせいで受刑者は獄中でも当然の如く虐げられていたのに、サッカーによって刑務官と受刑者が仲良くなれるなんて。要素を分解していけば、もちろんサッカーである必要はなかっただろう。でもそこにはサッカーがあった。Tシャツでも丸めればボールになる。人が集まって蹴り合えばサッカーになる。あらゆるものを取り上げられ、ほとんどものを与えられない地獄のような世界にも、人々が団結できる光明があった。感動しました。

2014/04/13

テツ

アパルトヘイトの下、ロベン島に収容された政治犯たち。劣悪な環境の中、ほんの僅かな気晴らしのために彼らは丸めた衣類のボールでサッカーを始める。そして刑務所側に働きかけ続け、ついにサッカーをする権利を勝ち取り刑務所内でのリーグ戦を開くようになる。差別と過酷な刑務所暮らしの中で燃え上がる自由への欲求。彼らが手にした物はサッカーを行える権利だけではなく、人間としての尊厳。

2013/12/12

がぁ

ロベン島の過酷な環境のなかで、人としての尊厳を守る闘いがどのように行われたのかが詳細に描かれている。「人は変われるのだ」ということを、いろいろな意味で知ることができる点では、普遍的なテーマとも言える。アパルトヘイトの概説書にはならないが、一歩踏み込んだ記録として良書である。

2011/09/23

garth

南アフリカのロベン刑務所でサッカー・リーグを立ち上げた不屈の男たちのものがたり。「どうしてもサッカーをやるのだ、という意志と、何かをする権利を得るための努力は、政治的な考え方のちがいを超越した」ジェイコブ・ズマが屈強なディフェンダーとして登場してきたときには仰天した。ワールドカップへの準備として是非。

2010/05/14

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