主体性とは何か?
主体性とは何か? / 感想・レビュー
田舎暮らしの渡り鳥
「普遍的なものは個性的である」「人間は歴史的産物である」
2019/09/25
一郎二郎
サルトルにとって、主体性とは、人は生きているという事。人はそれであるところ、自分が社会においてあるところを生きる。どんな個人も全体的な社会の受肉である。良い小説は社会を客観的に描くのではなく、主人公が矛盾を抱えたまま葛藤している様を描く。それに似て、人は非知=知らない事を抱えたまま矛盾葛藤して生きている。そして、社会の中で徐々に自分を知っていく。人は混乱や矛盾を統合して生きている。主体性とは、そういう活動の事だ。主意主義的に捉えられがちなサルトルだが、自らを客観視し対象にしてしまう現代人こそ実は主意主義。
2022/11/13
左手爆弾
客観的で科学的であろうとする限りで、マルクス主義には主体性が必要なのであろうか。この問いの明晰さと重要性は明らかなのだが、サルトルの回答はそれほど明晰ではない。「認識」がひとつの鍵になっていることは明らかなのだが、もはやレヴィ=ストロースの批判も出てた時期で(それに回答しようとしている箇所もある)切れ味が弱くなるのも仕方ないのだろうか。
2017/05/24
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