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神は死んだ (エクス・リブリス)

神は死んだ (エクス・リブリス)

神は死んだ (エクス・リブリス)

作家
ロン カリー ジュニア
藤井光
出版社
白水社
発売日
2013-04-11
ISBN
9784560090275
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神は死んだ (エクス・リブリス) / 感想・レビュー

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巨峰

第一章で、アフリカの大地に若い女性の姿で降臨した神が本当に殺される。これが驚き。第二章以降は神が死んだあとの世界の混乱が描かれる。神の死体を食ってしまって中途半端に人間的になった犬たちへのインタビューが哀れ。なかなか斬新な設定で、ああ違う文化圏の人の小説を読んだなと思わせる。ただし、最後の3章はよくわからなかった。きっと合衆国にすんでいる方しかわからないのではなかろうか。

2017/10/31

藤月はな(灯れ松明の火)

受肉し、地に降り立った神は爆撃によって実際、死んだ。神を救おうとして全てを捨てた殉教者であると同時に爆撃を行ったアメリカでの重要人物であったがために湯ユダであった人物、爆散した神の肉を喰らって生きた犬たちの生き残り、インターネット上の神に縋ることで親への不満と自己正当化しようとした青年、妊娠を拒んでいた恋人の発言に「是」と答える青年。「人はなぜ、分かり合おうとせずに同胞同士で憎み、争い、殺し合うのか」、「人は神という存在に依存する存在か」という永遠の問いである、人間の業を痛烈に、そして温かく、描いた作品集

2014/03/05

けい

創造主である神がこの世に現れ、戦争に巻き込まれて死ぬことにより世界がどの様に変化していくかを合衆国の人々を舞台に描いた短編集。伊坂さんの「終末のフール」に通ずる世界観とも言えるが、騒乱初期からを短編で描きこんでいる分、表現にえぐい所が多い。最初は世界観に入りづらい面を感じましたが、一度入り込んでしまうと逃れられない状態となり、きっちり読まされてしまいました。読後感は悪くもなく良くもなく、なんか不思議な感じです。

2013/09/07

白玉あずき

残酷で哀れで、それでも面白かった!信仰が失われた後の戦争が、ポストモダン人類学軍と進化心理学軍の間で戦われているという設定には笑えた。私としては最大多数の最大幸福に寄与するなら、「神」であろうが合理主義的思想であろうがかまわないのだけど。同じ「信仰」を持たせるには暴力的強制は避けられない哀しさ。ハチャメチャでぶっ飛んでいて、笑えて泣ける。

2017/04/18

かわうそ

神が死んでしまった世界で人はどのように生きるのかを描く連作短編集。宗教的・文化的背景への理解が乏しいため設定の妙を味わえていない部分もあると思うけど、全く異なるタイプの作品を集めた奇想系ディストピアSFとして非常に楽しかった。特に「神を食べた犬へのインタビュー」が素晴らしい。

2013/05/21

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