KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

エンジェル

エンジェル

エンジェル

作家
エリザベス・テイラー
Elizabeth Taylor
小谷野敦
出版社
白水社
発売日
2007-11-01
ISBN
9784560092019
amazonで購入する

エンジェル / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

遥かなる想い

著名な女優と同性同名の著者が描く物語。 夢見るヒロイン エンジェルの並々ならぬ 屈折した性格が面白い.. 夢見るエンジェルは 平気で嘘をつき、平気で 人を傷つけ 空想に生きる.. 誰もが心に密かに抱く夢の世界を著者は 無慈悲にも曝け出す。 不思議なことに エンジェルは次々と 夢を叶え、嫌われながらも生きて行く ..何が幸せなのだろうか.. 女の一生を逆説的に描いている、そんな印象の 物語だった。

2017/04/28

ケイ

イギリスの女性作家は苦手というのを再確認した感じだ。それに私はハーレクインロマンスは大の苦手なのだ。夢見るエンジェルが夢見たものは、夢のような小説を書くことで一時的に彼女の物になる。かなわない夢、あきらめなければならなかった夢、あきらめきれようにもあきらめきれない夢…、苦い思いで想う夢より、叶った夢が崩れていくさまを見るのはつらいだろう。いかにエンジェルが身勝手な女だったとしても。彼女の独りよがりの強さは、叶いかけた夢を握りつぶしてしまったのかもしれない。読後に口直しが必要かな。苦いエンディングだった。

2016/10/01

まふ

20世紀初頭期の英国を舞台にした、異常に才能ある文学少女エンジェルが徹底した自己中心主義世界に生き母親、叔母を始め学校・地域にザラザラと摩擦を起こしつつ小説家になり、人気作家となる。母、叔母は彼女の強烈な個性の餌食となり消え去る。一方、見初めた美男子画家を追いかけて結婚してしまう…。という勝手御免人格の女の一生を描いた異色作。ひどい女だが、人気作家となる目標を有言実行した成功者となるところがスゴイ。だが、こんな女がいたら付き合いたいとは思わないだろう。楽しく読ませていただいた。G495/1000。

2024/04/27

藤月はな(灯れ松明の火)

自意識過剰だった時期を過ぎた女からすると殺意が湧き上がる作品。女が世間に反発して自我に固執するのが許されるのは最大でも十代までだと思う。十代なら「あー、まあ、若いしね、仕方ないか…」と微笑ましく、見れる。ところが十代過ぎてもこうだと周囲は「何、勘違いしてるのよ、このバカ女!!」となってしまう。それは女は生き抜くために精神的に早く、成熟を求められるからだろう。自分の飼い犬が人様の飼い犬を噛み殺した時のあの対応には呆れて口が開くしかなかったです。こんな女が「私、愛犬家です」発言していたら愛犬家は憤死しかねん。

2016/10/14

NAO

エンジェルは、全く現実を見ることなく、好きなように生きた。大金持ちでもないのに、こんな風に生きることができる人間はそういない。誰もが、好きなように生きたいものだと思っている。でも、自分の世界だけに生き好きなように生きているのに、エンジェルを羨ましいと思う人がどれほどいるだろう。絶対こんな風にはなりたくないと思う人の方が多いのではないだろうか。なぜなら、思うように生きていたようでいて、実はそれは彼女の勝手な思い込みでしかなく、実は彼女が本当に手に入れたものなど何一つなかったからだ。なんと、哀しいことだろう。

2016/12/15

感想・レビューをもっと見る