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気になる部分 (白水Uブックス 1087)

気になる部分 (白水Uブックス 1087)

気になる部分 (白水Uブックス 1087)

作家
岸本佐知子
出版社
白水社
発売日
2006-05-01
ISBN
9784560720875
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気になる部分 (白水Uブックス 1087) / 感想・レビュー

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青乃108号

面白い。くすくす笑える。これは電車の中では絶対読んではいけない本だ。向田邦子。群ようこ。最近では、こだま。面白いエッセイは数々読んで来たが、この人のものは頭1つ抜けている。翻訳の人だけあって、言葉のチョイスがナイス。わはは。特に興味深いのは翻訳仕事の苦労話し。なるほど、この人の翻訳はだから面白いのかと納得。うんうん。あと、面白かった本の紹介とか。どれもみな面白そうで、読みたくなる事間違いなし。筒井康隆、町田康も紹介されていて嬉しかった。読みたい本が増えて止まらない。しばらくはこの人の本から離れられない。

2022/02/28

澤水月

名文家と存じていたが雲にカルピス、小豆枕、受験勉強中の遠い灯火…極上の実話怪談でもある! 妄想と現実の境なくすらっと読める(恐らく書くのは苦心の彫琢と思う)文章は百閒の幻想作品群も想起するし、筒井と町蔵もよぎったらラスト今年の本にそれぞれありやはりと。家内不明ってだけで読んでなかった自分のバカ!…それこそ「名作知らず」でした(この章、15年『罪と罰を読まない』にまで通じる道で面白い)。表紙女の子の可愛さ、緊迫感も好き…私、ラプンツェル未遂ほか同体験多い。友よ!にしても会社員時代あったと知り動悸発汗止まらぬ

2016/05/11

エンブレムT

「数学心のある人とない人」で世の中の人間は二種類に分けることができる。・・・翻訳の「ほ」の字もフランスの「フ」の字も全く登場しないのだが、冒頭の言葉に説得力を感じてしまった時点で、私はこの妙な部分にこだわり続ける翻訳家にガッツリとハートをつかまれていたのかもしれない。小心ゆえ腑に落ちないまま抱え込んでしまう思いの数々。なのにそれをあくまでもネガティブに、解決を求めないまま放置し続けて平然としている大雑把さを持つ筆者。彼女のこのわけのわからなさには呆れつつも、最後には愛おしさすら感じてしまいました(笑)

2012/03/08

kei-zu

職場の同僚(女性)に、同著者の「ひみつのしつもん」を紹介したところ好評で、ならばと本書を紹介しました。 紹介前に目を通し始めたら止まらない。あっという間の再読。 「極寒の夜明け前、寝巻にサンダル姿で、ニワトリを持って小学校の校庭を走っていたのは、あの時、あの瞬間、たぶん世界で自分一人だったと思う」の記述には、腹がよじれる思い。 本書の元になった連載は「翻訳の世界」誌に掲載。その内容が翻訳の技術等に関わる内容ではなかったため一部の読者から苦情の投書があったという。 著者は、ガッツポーズをとったのではないか。

2020/12/17

ネギっ子gen

ユーモアと奇抜さが溢れた、名翻訳家最初のエッセイ集。<翻訳という仕事をするようになり、それにともなって「何か書け」と言われる機会が出てきた。書くことなんて何もない。頭の中をひっかき回し、苦しまぎれに壺の蓋を開けてみたら、何10年にもわたって“なかったこと”にしてあったものがどろどろに発酵し、得体の知れない匂いを発していた。そういうどろどろの発酵物を集めたのが、この本である。うまいこと酒になってくれていればいいが、もしかしたらただの腐敗物かもしれず、もしあいにく後者だったら、心からお詫びするしかない>と。⇒

2023/08/08

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