贖い
贖い / 感想・レビュー
harass
『鮫とジュース』の著者でようやく手に取る。原書1992年。凄腕刑事の主人公は、長年ガンで入院している妻と障害を持つ娘がいて金が必要で孤独だった。不可解な殺人事件を追うなか、彼の「副職」をつついて選挙の売りにしようとする政治家が現れ…… 明快に割り切ってスカッと読めるものではなく、リアルで酷い人種問題など、登場人物たちの内面などの描写に唸る。主人公の妹が印象深い。文学寄りで重厚な読み応え。名訳者東江一紀一押しの作品。ただ、この本のようにジャンル分けが難しく複雑な作風は売りにくいだろうなとも思う。おすすめ。
2019/05/09
感想・レビューをもっと見る