贋作館事件
贋作館事件 / 感想・レビュー
セウテス
芦辺拓氏、北森鴻氏、西澤保彦氏など、8人の作家さんらによる、先人たちが生んだ名探偵たちの「贋作」に挑んだ作品集。面白い事に、贋作である本作品の中に本作品の贋作が、作中作品として存在する。パスティーシュされる探偵には、ミス・マープル、ブラウン神父から、顎十郎、退職刑事など、かなり幅広い王道が楽しめる。又、あの黒死館殺人事件のパロディ黒石館の殺人、さらには白石館の殺人と、脱力する事間違いなし。パロディだけではなく、贋作が待ち望まれる作品こそ、ミステリだからこその分野であり、原作に負けない衝撃を与えてくれる。
2018/02/15
igaiga
どの話も面白かったですが、やっぱり元の話がわからないと面白味がわからない作品もありました。個人的にはルパンが好きだったな。ルパンと退職刑事はそのあとの贋作の贋作の話もセットで面白かったです。
2015/10/24
紫草
8人の作家による、パスティーシュやパロディの短編集。元を知らないのは1作だけで、ホームズとかルパンとか超有名なのと、大好きな顎十郎や退職刑事や黒後家蜘蛛というラインナップなので、まあ、楽しめました。でも、やっぱり(当然ながら)どれも本家には及ばす、で。最後の、「贋作家事件」はおもしろかったな。
2015/11/27
tako
クリスティ、チェスタトン、ドイル、乱歩ら有名なミステリ作家の作品を現代日本の8人のミステリ作家がパロディ、パステーシュに仕上げた短篇集。例によって例のごとく勉強不足の私は原作を知らないものがたくさんあったのでホントの面白さにはたどり着けないけど、それでもそういった知識がなくても楽しめる作品になっているのはさすが。更に1人1作づつの作品が終わったあと、更に斎藤肇氏により今読んだ内容のショートショートパロディが出てくるという遊び心満載の作品集だった。奥付までパロってあるのが笑えたw
2014/08/11
SEI
当時の気鋭のミステリ作家達が、先人の残した偉大な探偵達の「贋作」に挑んだ作品集。収録されているのはマープル、ブラウン神父、など、いずれも大物ばかりである。 その筆致も中々見事で、ブラウン神父や退職刑事のものなど、本家と比べて遜色ない。中にはただのパロディ作品も混じっているが、単なる受け狙いではなくこちらも工夫を凝らしている。 実のところ一番楽しめたのは柄刀一のホームズパロディで、あのSHERLOCKとも違った形で現代に名探偵を召喚して見せる。 黒後家パロディが入っているのも嬉しく、誠に楽しい本だった。
2017/09/10
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