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ナイトランド

ナイトランド

ナイトランド

作家
ウィリアム・ホープ・ホジスン
William Hope Hodgson
荒俣宏
出版社
原書房
発売日
2002-05-01
ISBN
9784562035106
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ナイトランド / 感想・レビュー

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磁石

100万年後の未来を描いたSFというよりは、当時の大英帝国の有様を指している気がする、小ピラミッドはインドのことだろうか。戯画化してあるいは夢の世界から当時の世界を眺めると、大ピラミッドは堅固で完璧な人類最後の居住地/そこ以外は荒廃した大地で群がっているのは人類にあだなす邪霊や魔獣、に見えてしまうのかも。現実でいくら見た目が同じだろうとも、夢でソレならば容赦なく駆除しなければ収まらない/正義を疑うこともない。あえてコレを描ききってみせた執念は、崩壊とともに失われるであろう騎士道を拾い上げるため……かな?

2017/08/14

Kouro-hou

1912の終末ファンタジー。太陽も滅び、魔物化け物に征服された超未来の地球。人類は砦に立てこもってそれなりに元気にやってます。感度が鋭い主人公は、ある時自分は20世紀初頭の多分英国人の生まれ変わりという毒電波を受信。さらに遠くで暮らしている分派の一族に、かつての最愛の嫁の生まれ変わりがいるという電波も受信。危機に瀕しているという彼女を救うべく一人外界「ナイトランド」に旅立つのだ、というお話。前半の死に包まれた幻想世界の旅は魅惑的で一読の価値有り。後半は愛のテーマのラブラブさで読者が焦げるという怪作です。

2016/08/21

がんぞ

太陽が燃え尽き、「外宇宙から」飛来した得体の知れない魑魅魍魎が跋扈するはるか未来の地球。大地割れが海洋を呑み込み、既存の植物動物も一切見られない。しかし人類は10万年前精神エネルギーの《地脈》を探り当て、それを基に高さ8マイル地上千三百二十階・地下に底知れず広がっていく大ピラミッドを建設した。2万年前そこを出た人々の小植民地が消息も知れなかったが危機に瀕しているとの知らせに…物理的法則も無視の超巨体などの怪物のうちでも近づくことも出来ないほど凶悪な精神エネルギー持っている奴あるいは悪いヒトの怪物化が超怖い

2018/01/03

へ~ジック

これは愛の苦行である。遠い遠い未来、地には邪悪と怪物が溢れ、人は強大な要塞を安住の地として生きていた。しかし最後と思われていたその場所の他にももう一つ、小さな要塞が生き残っていたことが明らかになる。大要塞に暮らす若者は、その命運尽きた小要塞に、遥か前世に愛した女性がいる事を知り、救うべく旅に出る。繰り返すがこれは愛の苦行である。往路は良いのだ。孤独、恐怖、焦燥感。それらが良く伝わってきて共感できた。しかし女性と合流した後ときたら!延 々 と数百頁に渡って惚気話が続くのだ!もう辛かった…。

2016/02/16

topo

壮大な冒険であり旅でありロマンスの物語を読み終えた興奮を生涯忘れない。闇の中を跋扈するグロテスクな怪物と対決し、孤独や恐怖と対峙する旅は全て愛のためである。前世に失った愛しい人を救うため。圧倒的な幻想世界と愛を前に息をのむ。 訳者 荒俣宏さん曰く本書は『読むに堪えぬ冗長なロマンス』との評価があるという。私としてはその冗長さが良い。一途な愛を貫き命を賭して愛を守る。地獄のような終末世界の中で描かれる圧倒的な愛。良い。むしろもっと読みたい。本書も相当量のカットがあるそうだけど完全版がどれほどのものか気になる。

2021/07/20

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