ジャニ研!: ジャニーズ文化論
ジャニ研!: ジャニーズ文化論 / 感想・レビュー
ちあき
ジャニーズ文化を解読する連続トークイベントをもとにまとめられた研究本。ビジネスモデルやメディア戦略など論点は多岐にわたり濃い内容。「マッカーサーが日本から去って、そして、アメリカからジャニーさんがやってきた」との序章の記述があちこちで生きてくる構成は心憎いし、何より会場でジャニーズ楽曲や登場CMを再生しながらもりあがっている論者3人の様子が楽しそうでいい。広告という切り口なら速水健朗『タイアップの歌謡史』、女性アイドルとの比較という観点なら太田省一『アイドル進化論』などを併読すればさらに楽しめるだろう。
2013/03/14
まーみ
表紙のイメージとは裏腹に、ジャニーズを理解することを目的としてその周辺文化をあらゆる角度から考察する、戦後音楽史・エンタメ史・都市開発史(!?)等々の研究本でした。若いジャニーズファンの子の大半は楽しめないかな(笑)音楽やエンタメの専門知識がないので途中はついて行けなかったけど、ここまで論じることができるほど沼は深く魅力的な世界ということは伝わりました。50年間、男性アイドル界をほとんど独占してきたジャニーズ、そのカラクリ(偶然も含む)に興味があればぜひ。
2016/02/15
じょうこ
Johnny's Studies!と表紙にあるように、まさに「研究」発表! 5テーマの考察結果を鼎談形式で発表してくれる。時代や芸能シーンなど蘊蓄もあり面白い。私がいちばん気に入ったのは「ジャニーズとディスコ」。YouTubeで楽曲を確かめながら楽しく読書できました! また、ジャニーズミュージカルが面白いことはつゆ知らず…1回くらい観てもいいかも?とも。脚注の質と量が秀逸で、脚注の文章から何のことかな?誰のことかな?など、芸能エンタメ史逆引きクイズのようにも楽しめる本です(笑)。
2020/09/11
小川一輝
なぜJohnny'sはジョニーズではなくジャニーズなのか?もはや大半の日本人が無意識の内に飲み込んでしまったこの違和感にこそ、ジャニーズ帝国の根幹にある誤解と矛盾と魅力がある。都市開発と一体化した宝塚歌劇との同質と差異など興味深いトピックが沢山ある。SMAPが解散してしまい2020年にオリンピックが開かれることになった2017年にこそ読みたい一冊。取り敢えずジャニーズ関係の舞台が観たくなった。
2017/01/07
しろうさぎ
こんな装丁なので(笑)軽いジャニヲタ話の本かと思いきや!日本のショー・ビジネスに関心をもつ人なら、楽しめる一冊。ジャニーズなんて興味ないよ、という非ジャニヲタでも、いや、むしろその方が、より楽しめるかも♪『ジャニーさんはあくまで敗戦国に来た日系アメリカ人で、ジャニーズを通じてアメリカ文化を日本向けに消化し直している』っていう指摘が腑に落ちた!
2016/08/08
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