怪異十三
怪異十三 / 感想・レビュー
starbro
三津田 信三は、新作中心に読んでいる作家です。著者の新作かと思いきや、著者がセレクトした古典的な怪異幻想譚の短編集でした。オススメは、菊地 秀行の『茂助に関わる談合』、ロバート・ルイス・スティーヴンスンの『ねじけジャネット』、著者の『霧屍疸村の悪魔-番外編-』の3本です。
2018/09/12
KAZOO
三津田さんが選んだ国内作品7つと海外作品6つと更にご自分の作品を収めたミステリーあるいは怪異というジャンルのアンソロジーです。日本作品はほかのものに収められたものもありますが、海外作品はほとんど未読でしたが、やはり「怪奇小説傑作集」などに収められたものと比較すると若干レベルダウンなのかなあという気がしました。三津田さんの作品が一番印象に残りました。
2019/08/24
nuit@積読消化中
いくつか大昔に読んだものもあったが、すっかり忘れているようで、また新たな気持ちで読めました。個人的には「竃の中の顔」「逗子物語」「茂助に関わる談合」「ねじけジャネット」がお気に入り。「ねじけジャネット」を書いたスティーヴンスンは、これを自分で書いておきながら、朗読した際、怖くなって妻と子供の手を取り部屋から逃げ出したとあるのも微笑ましい。しかし、菊地氏の異形コレクションを一冊にまとめたものはないのだろうか…菊地氏の他のも読んでみたい。三津田氏の「霧屍疸村の悪魔」のような土着的な世界観はホント大好きです。
2018/11/14
藤月はな(灯れ松明の火)
三津田信三氏が選んだ、読んでゾォっとする物語たち。しかし、海外篇は二つは既読でしたが、日本篇は初見ばかりだったので自分の読書の偏りを痛感しました・・・。「死に神」はにっちもさっちもいかなくなった人の心理の描き方がえげつない。そして若い屑屋が笑って語る事と事実の差に、顧みられず、逃れられない人生の昏さを感じ、作者と同じく、心が沈みます。「竹藪の怪」は三津田氏の短編を彷彿とさせる怪異が出てくるのですが、奥底にあった根深い問題の方に絶句するしかない。「竈の中の顔」はこれ、アカンやつや・・・((((;゚Д゚)))
2018/11/01
ちょろこ
解説まで楽しめた一冊。三津田さんが厳選した国内、海外の怪異十三編と、ご自身の作品一編。読みにくさ、読みやすさがそれぞれあるけれどなかなか自分では出会えない作品ばかりで得した感にも浸れた。国内編では「茂助に関わる談合」がインパクト有り。この短さで読み手を恐怖に誘うのが素晴らしい。海外編では「八番目の明かり」の近づく電車の恐怖が伝わるシーンが好み。番外編はもちろん、三津田さんの描く臨場感溢れる描写にたっぷり魅せられた。ご自身の体験談を絡めてある解説まで楽しめ、読み応えありの一冊。
2018/10/28
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