おやすみなさいトムさん
おやすみなさいトムさん / 感想・レビュー
KAZOO
英国のロンドンなどの話が出てきますが、大都会ではなくひっそりとした田舎が舞台の感動深い小説です。今まであまり人との接触のない老人とそこに疎開してくる少年との交流の話でさまざまな事情があるものの最後は、ということで結構長いと思われるのですがあっという間に読んでしまいました。お気に入りさんの感想を読んで図書館からと借りてきましたがもう一度自分で購入して読み直したくなりました。いい本です。
2017/02/23
はる
とても良かったです。思った以上に深く感動する内容でした。イギリスの小さな村で暮らす偏屈な老人と、戦争で疎開してきたひ弱な少年との温かな物語。少年は母親から酷い虐待を受けていたのです…。老人や友人、村の人たちの優しさに触れて少年は癒されていきますが、母親からの手紙が届いたことからドラマチックな展開に。老人の想いが泣けます。おすすめ。
2017/02/06
星落秋風五丈原
ベルトでぶたれた傷がいたる所に口をあけていて痩せ細っている。物を食べてもしばらくするとあえぎながら吐いてしまう。いつも何かに怯えている。8才なのに読み書きもできない。戦火の迫るロンドンから疎開してきた少年ウィリアムはそんな少年だった。一方老人トムは愛する妻と子を失って妻と子を思い出させるどんなものからも遠ざかっている。少年を預かったトムはかたくなで気難しい老人だった。この二人の出逢いがそれぞれの心に窓を開ける。老人トムともう一人の疎開児童ザックの心づかいに共感を覚える前半と事の進展に手を汗にぎる後半。
2006/08/21
マッピー
開戦まで秒読みのイギリス。ロンドンに住む人たちは、子どもを田舎に疎開させる。偏屈な老人であるトム・オークリーのところにやって来たのは、世間に怯えている少年・ウィリーだった。普通の子よりずっと手のかかるウィリーの世話を嫌がることなく、様子を見守るトム。トムや近所の人たちからウィリーは初めて優しい言葉や温かいまなざしをかけられ、差し伸べられる手を通して人の善意を知る。法的な正解ではなく、ウィリーにとっての最適解をトムはウィリーに与える。親子、友情、ジェンダー、戦争、信仰、芸術などいろんなことを考えさせられた。
2018/06/06
Alm1111
第二次大戦戦争下のイギリス。田舎に住むがんこな一人暮らしのトムの家に、突然ロンドンの疎開児童の少年が割り当てられることになった。生まれて以降母親から虐待をされ続けたウィルは、自己肯定感を全く持てない少年で、身体は痩せ細り痣だらけで常に周囲に怯えている。そんな彼と暮らすうちにトムの心に眠っていた優しい気持ちが流れ始め、ウィルもまた自然と動物、友だち、大人たちの愛情に支えられて生きる喜びを知るようになる。まるで『ハイジ』の少年版だ(ウィルはハイジではなくクララといった役どころ。作中にもハイジに言及しているし)
2024/11/06
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