奇才ヘンリー・シュガーの物語 (ロアルド・ダールコレクション 7)
奇才ヘンリー・シュガーの物語 (ロアルド・ダールコレクション 7) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
コレクションの第7巻。8編の短編で編まれている。著者ダールは、作家として多彩な人で様々な作品を残している。本書はダールが作家になるきかっけとなるエピソード”思いがけない幸運”やデビュー作となった”楽勝”が掲載されている。私的にダールを評する(とても不遜な考えですが……)とき、ストーリー・テラーとして天賦の才を発揮する人でないかと感じる。物語の筋の運びのおもしろく、短編であろうと長編であっても、読み始めた途端に読者をひきつける力を持っている。まだ読後に思索させられる作品も多く、本書の”白鳥”も例外ではない。
2017/02/01
mocha
表題作ほか7編収録。ユーモア、ウィット、シニカルといったロアルド・ダールらしい短編を味わい、『思いがけない幸運』で作家となったいきさつを知り、最後にデビュー作『楽勝』で締めくくる。1冊にダール氏の魅力が詰まった本。この人が〈グレムリン〉の生みの親だとは知らなかった。『ミルデンホールの宝物』がお気に入り。
2015/09/14
ゆのん
8編から成る短編集。お気に入りは『奇才ヘンリー・シュガーの物語』『思いがけない幸運』。ロアルド・ダールがどのようにして作家になったかという話は有名だが、改めて読むとまさに『幸運』という言葉がピッタリだと感じる。もちろん、もともと才能があったのだろうがその才能を発掘され、気付かされたなければ埋もれて作品が世に出る事も無かったかもしれない。運も実力のうちという事。167
2019/05/22
禿童子
やはりダールは面白い。ページを繰るのが止められずに、二日で1冊読み終えた。昔、『少年』という自伝的作品を読んだことがあり、作家の生い立ちを知りたくて収録されている『いかにして作家になったか』初短編『楽勝』を読んだが、この作品でC・S・フォレスターに才能を見出されて即作家デビューというから、最初から破天荒な人である。細部の描写を積み重ねて、作中人物の性格を活写した上で、虚構と事実を交錯して「奇跡」が現実に存在するかのようなイリュージョンで読み手を幻惑するのがダールの持ち味かと。柳瀬尚紀の翻訳も上手い。
2023/10/18
funuu
イギリスのカーディフのランダフ地区にてノルウェー移民の両親のもとに生まれる。シェル石油で働き、タンザニアやカナダにも行ったが、第二次世界大戦が始まってからはイギリス空軍の戦闘機パイロットとして従軍、5機撃墜を公認されエース・パイロットとなっている。搭乗機が撃墜され重傷を負うも生還した。しかし、この際に脊髄を負傷した事による後遺症に生涯苦しめられた。チョコレート工場の秘密の作者の人生がよくわかります。浮気者だったみたい。
2017/09/24
感想・レビューをもっと見る