運命の剣 のきばしら (PHP文芸文庫)
運命の剣 のきばしら (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
おか
中村隆資→鳴海丈→火坂雅志→宮部みゆき→安部龍太郎→宮本昌孝→東郷隆 という面々で綴るリレー小説。昔々リレー小説等と云われるものを読んだ時は小説家紹介状代わり 何て思っていたが 今作は違う。無銘の名刀「のきばしら」が産まれ その後 中世、戦国、江戸、幕末維新、そして昭和の動乱期に迄及ぶ 壮大な歴史譚です。 その人其々に自分らしく物語を紡いで行くが 一人一人 他の作家をきちんと尊重しているので 統一性のある 良い作品に仕上がっています。一人でも好きな作家がいたら 是非読んでみて下さい。
2018/06/22
Rin
[借本]自分からはなかなか手に取らない時代物。しかもリレー小説で読んだことのある作品のある作家さんは宮部みゆきさんだけ。でも一本の刀「のきばしら」を巡る物語。この刀の誕生から、その最後までを。刀の持ち主が変わり、その時代も流れて語られていく。作家さんごとに味わいも様々で、でもきちんと話も繋がっているので楽しめた。刀と出会うのは武士だけではなく、本当に多岐に渡っている。歴史に詳しくない私にとっては勉強にもなった本でした。つい避けてしまうジャンルだけど、短編で長さも丁度よく負担なく読み終えることができました。
2016/09/08
ひさか
1997年6月PHP研究所刊。1999年2月PHP文芸文庫化。敢えて銘を刻まず:中村隆資、犬死将軍:鳴海丈、利休燈籠斬り:火坂雅志、あかね転生:宮城みゆき、斬奸刀:安部龍太郎、明治烈婦剣:宮本昌孝、残欠:東郷隆、の7つの短編、鎌倉時代から昭和までののきばしらという剣をテーマにしたリレー小説。いずれもあまりふるわないなあと思います。さすがの宮部さんもここではいまいち。企画に無理があったのかも。宮本さんのお話がもっとも面白かったです。
2021/06/18
みさどん
岩をも断ち切る名刀、のきばしら を巡る短編集。誕生から斬れなくなるまでの長い年月に起こる物語はどれも重厚。武器として生まれたものだからそこには死がつきまとい、その切れ味に魅入られる者もある。父親が刀のコレクションをしていた友人はその売却は一苦労だったと言う。人を殺める力のあるものには怖さしかない。
2024/05/10
びぃごろ
7人の作家が一振りの剣をめぐる物語を書き継ぐ連作時代小説。宮部みゆき目的であったが、鎌倉末期に助平の手により生まれた「のきばしら」中村隆資による第一話『敢えて銘を刻まず』よかった!『犬死将軍/鳴海丈』『利休燈籠斬り/火坂雅志』『あかね転生/宮部みゆき』←江戸時代質屋夫婦のもとに口のきけない女の子『斬奸刀/安部竜太郎』←幕末人斬り以蔵『明治烈婦剣/宮本昌孝』←嘉納治五郎明治の仇討『残欠/東郷隆』←終戦とともにのきばしらもその鋼の命を終える。ラスト2作は新鮮味を感じた。
2020/07/27
感想・レビューをもっと見る