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科学とオカルト: 際限なきコントロール願望のゆくえ (PHP新書 67)

科学とオカルト: 際限なきコントロール願望のゆくえ (PHP新書 67)

科学とオカルト: 際限なきコントロール願望のゆくえ (PHP新書 67)

作家
池田清彦
出版社
PHP研究所
発売日
1998-12-01
ISBN
9784569604435
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科学とオカルト: 際限なきコントロール願望のゆくえ (PHP新書 67) / 感想・レビュー

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nizimasu

著者の名前を気にせずに読んでいたら途中で池田先生だったことに気づく。こんな軽めのタイトルまで手がけていたとは驚いたがその筆致はいつになく軽快かつ辛口。オカルトの隆盛と「かけがえのない私」を肯定してくれるオカルトの存在は実に今日的とも言える。つまりかけがえのない私を認めるのは家族でなくてもオカルト的なおまじないでもいいし、特殊なUFO体験でもいいというのが人間の欲望らしい。さらに人間は幻覚ですらそれw特殊な経験として人生が変わってしまうというなんというご都合主義。それは科学的でないというのが本書だ

2019/01/24

もりもり

錬金術はオカルトの一種で、オカルトとは科学ほど公共性・再現性を持たない科学のようなもの。カルトは、オカルト的な方法で「かけがえのない自分」を求める新興宗教。科学もオカルトも、自分をコントロールして周囲と差別化するために用いられる。これらの行き着く先(サイボーグオリンピックとかバーチャルリアリティの話)を想像すると恐ろしい。最終的に人間はやはり「脳化」してしまうのか!私はそれは何となく嫌なので、科学が進歩しても生身の肉体を大切にしたいと思った。

2012/02/24

茶幸才斎

科学の扱える対象とは何か? なぜ非科学に心惹かれるのか? 大学新入学生に読ませたい程の、非常にいい内容の本なのに、題名の陰気さで損をしている。科学とは、自然界で繰り返し起こる現象に対して、(因果関係ではなく)おおよその対応関係を抽出する術である。しかし、すべての対応関係が引き出せるとは限らず、またそれが不変かつ普遍とも限らない。反復しないために対応関係が見出せなければ、科学は手が出ない。だが基本的にそれでよい。同感だ。世の中、算数や理科で分からないこともあるから面白いのだ。いや、もちろん前向きな意味で。

2010/05/07

Phycology

前半、科学とは何か?オカルトとの差異は何か?再現可能性と客観性、そして公共性を持つところが一番の違いだということ。また学会の成立やピア・レビューやら科学はどうあるべきかなどの命題について述べられている箇所は楽しかったけど、後半失速している感がある。細分化が進みすぎて公共性を失った科学はアカウンタビリティを無くして市民の支持が得られず、一方のオカルトはどんどん拡大再生産されていく。正直なところ、結論部分はとりとめがない感じだった・・。

2011/01/25

レコバ

論理あるいは著者の発想がどこに向かうのか、先行きが読めないという意味で小説のような内容だと感じた。かつて錬金術が突き当たった袋小路と、それを利用し隆盛を極めた科学。現在、科学の前に立ちはだかる隘路。その虚像としてのオカルトを規定しようというのが本書の試みだが私自身の関心的に虚像ではなく実像の方に興味深さを感じた。

2020/06/24

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