きもの暮らし: 着こなしの知恵と楽しみ
きもの暮らし: 着こなしの知恵と楽しみ / 感想・レビュー
黒木 素弓
幸田露伴の孫であり幸田文の娘である青木玉と、江戸時代からの染屋である吉岡幸雄の対談。着物の歴史から織物、染色、それに関わる人々の生活、季節感や色合いなど、興味深く楽しく読み取れた。現代の『着物』が堅苦しく派手なだけの行事用になっていることを著者たちは憂えていたが、まだまだ着物人気は衰えていないと思う。新しい着物文化を作っていく若い人達の感性に、私は期待したい。
2012/01/30
Noelle
染司よしおかの吉岡さんちが あの憲法染めの吉岡憲法の流れになるって この本で初めて知りました。幸田文さんの「きもの」、青木玉さんの「幸田文の箪笥の引き出し」と、このお二人の対談話を通じて、今はいかに本当に暮らしに即した着物ぐらしをするのが難しくなっていることかと実感します。だからこそ、晴れ着やお茶会着物でなく、普段着着物、ちょっとお出かけ着物の人が増えてきてるような昨今、自分もそうありたいし、若い人の身軽に着ているかのようなおしゃれ着物も応援したいと思います。
2013/12/18
波 環
消費者と生産者の立場が明確にわかる。熱心に勉強し良かれととりくむ優秀な生産者と限られた資源を工夫で乗り切ろうとする消費者。青木玉さんが大人なので何とかおさまる二人の対談。幸田文作品で一番好きな『きもの』を底本として二人が対談するの読んでいて楽しかった。源氏物語は着ているもので人物の性格を描きだすが、近代のその役目がこの小説。私は主人公の貧しい友人のたくましさが好き。
2015/06/10
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