養老孟司の“逆さメガネ” (PHP新書)
養老孟司の“逆さメガネ” (PHP新書) / 感想・レビュー
kawa
ほぼ20年前の著作。口述を書籍化なのか、やや読みにくく、意味がとりにくいところがないわけではない。しかし、相変わらず?の養老節。主として教育論ということだが、人間とは、社会とは、意識とは、都市化とは等、人が生きていく上での根源的問い掛けが多い。今、読んでも新鮮でうなずくところも多し。「非合理の情念が人間を動かす」「実念論(目に見えないものが重要)の時代がくる」の佐藤優氏の主張と軌を一にする内容だ。
2022/07/25
ちさと
高齢者の仲間入りをした頃の養老さんの教育論。養老さんのお喋りを編集さんが本にする形式なのかな?話題が飛ぶので意図を汲み取りにくい部分もありますが、現代のゆがみは「都市化(脳化)」が原因、こどもが自然でなくなったのは社会的価値のないものは排除しようとする社会に起因する 、というお話です。おもしろかった一文「女は女らしくしとやかに、男は男らしく元気で活発にと、それが教育。ほっといたらどうなるか。今のようになる。ほっといたら自然になるものを教育する必要はありませんから。」養老さんは自称フェミニスト。
2019/02/04
流之助
地の文が養老先生の語り口調なのが味がある。Twitterとかだと確実にクソリプが付きそう。安易に応えを求め、何の質問に対しても「じゃあどうすればいいんですか」と考えることなしに結論を求めることの如何に非建設的な事か。ただ、私も養老先生がヨシとしない人間の1人だと改めて痛感。少子化のくだりなど、耳の痛い話だけれどなるべくしてなったことなんだなと感じた。
2019/10/25
mura_ユル活動
現代人の価値観は大きな錯覚であり、逆さのメガネで見ているのではないか。そのメガネを掛けて見ているのは著者か現代人か?自然と人工(都市化)、共同体と機能体、自分がコントロールできるものできないもの、ボタン一つで操作できること、親の役割、子育て、文武両道の考え方(入力と出力)、良いことは人に知られないように。他の見方もあるんだと考えて読むのには良書。批判的に読めばそれなりに。ある部分は要点のみで飛ばし読み。「知るということは自分が変わること。」自覚無いけど変わってきているのかなあ。探究心は失わずにいたい。
2012/12/15
さいたまのたぬき
ついつい忙しいと 自然とは予測できないものであるということを 忘れてしまうのですね。 むしろいつも条件が同じでないと困るから 都会に住んでいるとつい何が起こるか分からない 自然を省こうとしてなんでも理屈で割り切れるように する常識がまかりとおっているのではないか? これを「逆さメガネ」をかけた状態 そしてこれが今の日本が迷っている原因ではないかと いくつかの例を通して説明しています。 わたしは特に 「子供は天然自然のものである!」 という考えにかなり刺激をうけました。
2014/09/09
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