幸田露伴と明治の東京 PHP新書
幸田露伴と明治の東京 PHP新書 / 感想・レビュー
HANA
著者による露伴を巡る明治文学と東京散歩のエッセイといった趣の一冊。露伴は「幻談」「観画談」を読んだだけで代表作たる『五重塔』すら読んでいないのだが、こういう本を読むと集中的に読みたくなるなあ。内容は谷中の五重塔跡散策や隅田川沿いの寓居跡巡り、露伴全集といったものが目立ち割と地味なものなのだが、個人的にはこういう散策や古本エッセイ大好きなので面白く読めたかな。あと垣間見れる露伴の人生も面白い。安定した生活を捨て文学を志す所とか。今はあまり読まれる事はなくなったであろう明治の文豪の魅力を感じる事ができました。
2023/04/04
ちぃ。
某アニメの影響で明治の東京を少し調べています。長閑な古き善き文人生活に癒やされました。
2023/06/15
rbyawa
i034、文章を生業としている人がたまたま出会った幸田露伴に関して調べたよ、という本なんですが、偏ってるっちゃあ偏ってるのかな。ところで私は総合誌『改造』にて大正8年に復活したことを知らなかったなぁ、なんでも芥川やら谷崎が絶賛していたのだとか。あと気になったのは中学校卒って言ってるんだけどあの…その時代の中等学校は後の高校を指し、学制が変更されてったので単純に低学歴ではないんだよ、という部分かな。明治文壇、家族との関係、復活、晩年の永井荷風視点の幸田露伴と娘、と飛び飛び、確かに明治の東京の本でもあるかも。
2018/07/23
木枯竹斎
明治の文豪で必ず名前の出る露伴は寝床でだらりと読むには強力な睡眠剤となる。先般 江戸情緒を訪ねて向島近辺を散策した折に露伴先生旧居蝸牛庵跡を訪ね本書を手に取る次第となる。著者も五重塔の題材たる谷中天王寺から生誕地の上野、この向島寺町町、終焉の地市川市を訪ねた印象を時には当時の地図を挟み、また適度な多さの作品引用を交えながら纏めている。著者は既往露伴に馴染んでないとしながら読み込みを進め小説でなく露伴先生名文顕著たる随筆の妙を披露する。改めて旧時代の集大成を凝縮した露伴の偉大さを教えてくれる好著である。
2014/11/29
いちはじめ
露伴ゆかりの地を訪ねながらの作品紹介。「五重塔」くらいしか読んでない僕だが、他のも読んでみようかという気にさせる
2004/03/25
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