般若心経の謎を解く 誰もがわかる仏教入門 (PHP文庫 み 31-4)
般若心経の謎を解く 誰もがわかる仏教入門 (PHP文庫 み 31-4) / 感想・レビュー
かわかみ
釈尊(お釈迦様)の生涯の評伝については作家的な想像が付加されており話半分に読めばよいだろう。六師外道との対比で仏教の特色を示した点、十二因縁を通常とは反対に死から無明に遡及して説明した点、大乗仏典が小乗仏教(上座部仏教)を批判したものであることに留意した点、維摩経の解説から般若心経に進んだ点が類書(般若心経の啓発書)に見られない優れた特長だと思った。最後の結論部は、いささか禅問答のような趣になってしまったが仏教というか人間の存在と認識能力そのものが逆説的なものなので、むべなるかなと感じたしだい。
2022/01/26
ありうす
般若心経を一文づつ解説するのではなく、関連のありそうな概念を紹介して、「これだけ知っとけば自分でも読めるでしょ。」というスタイルの本。さすが小説家だけのことはあって、行間を埋める、想像力ならぬ創造力がある。即ち、良く言えば独創的、悪く言えば独りよがりな解説書である。自分は、一番いい般若心経の解説書は宮坂宥洪氏の『真釈 般若心経』だと思っているが、それを読み正確な意味を知った上で、二冊目として読んで理解を深めるのにはいいだろう。
2009/09/21
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