風の陣[天命篇] (PHP文芸文庫)
風の陣[天命篇] (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
財布にジャック
まさかいきなり前巻で幸せそうだった嶋足に、こんな運命が待っていようとは予想外で受け入れがたかったです。天鈴は相変わらず敵を騙すことに全てをかけているようなキャラクターとして描かれていますが、道鏡も凄く腹黒く罠を仕掛けるのが巧いので、見ていてハラハラドキドキの連続です。まさしく狐と狸の化かしあいでした。いつの世にも歴史はこうやって動かされてしまうのだと思うと、頭の良い人、運の良い人、そして非情になれる人が有利だと認めざるをえません。主人公達が道鏡にどう立ち向かうのか次の巻も楽しみは続きます。
2012/10/05
ちゃいろ子
火怨の時も思ったが、人として扱われない蝦夷の辛さ苦しみ悲しみが胸に迫る。獣と同じって、、、そして、それはなんて長い苦しみだったかと改めて。 蝦夷のために出世を重ねた嶋足、そして影で支え続けた天鈴だが、遠く離れた蝦夷たちとの齟齬が生まれていき、、、 続きが楽しみだが、彼らの闘いはまだこれからもずっと続くんだと思うと悲しい。 蝦夷の為に暗躍し押し上げた道鏡に、逆に翻弄される事になり、、道鏡手強い。
2024/09/03
あらいぐま
全5巻の3巻目。前巻に続き面白くてどんどん話に引き込まれる。道鏡は日本史の授業でも強烈に印象に残っているので、正に名悪役といった感じ。相変わらず天鈴の無双っぷりが凄い。ストーリーテラーの著者の真骨頂ここに。
2021/02/28
藤枝梅安
道鏡は恵美押勝を亡きものにし、上皇に取り入って実権を握る。陸奥の金を狙う道鏡に対し、道鏡の関心を都に集中させようとする天鈴が動く。蝦夷の平安のために手段を選ばない天鈴の知略に周囲も不安を抱きつつ従っていく。淡路に流された淳仁天皇の最期や、和気清麻呂の大宰府への急行など、昔、名前だけは覚え(させられた)人物を筆者が現代の視点で蘇らせている。嶋足の弟・三山の今後の動向が気になる。
2011/02/02
めい
よっぽど事実を曲げないかぎり空白部分を自由に書いていいのは歴史小説のお約束だけど、流石にここまで色んな政治事件に嶋足と天鈴が手を引いてたというのは???となる(分かっていたこととはいえ)。どんどん蝦夷からも遠ざかるし。とはいえ最後の展開は良かったし、物語としては面白いので次の展開を期待。
2020/02/15
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