奇譚 銭形平次 (PHP文庫 の 8-1)
奇譚 銭形平次 (PHP文庫 の 8-1) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
時代劇でお馴染み、銭形平次。ただ、勧善懲悪とはいかない展開も原作にはあった。処女作の「金色の処女」からして伝奇色が強い。同時に徳川光圀が鷹狩に出掛けたり、慶安の変からまだ間もない頃などと江戸初期を伺わせるのが心憎い。「人肌地蔵」は地蔵が奇跡を起こす理由ではなく、「何故、奇跡は起こったのか」に転換するのが見事。「だが「七人の花嫁」で結婚前のお静さんが何気に危険な目に遭い過ぎていて吃驚した。そりゃ、囮捜査にお母さんも渋い顔するわて・・・。「遠眼鏡の殿様」は乱歩っぽいが、勘違いと言え、八つぁんの啖呵に胸が透く
2024/06/25
bluemint
読み達者の末國善巳が選んだ銭形平次のミステリー色が濃い傑作選。とは言っても本格ではなく軽いもの。有名なテレビ版のようなスーパーマンではなく人間味が強い。だから、恋人のお静を囮捜査に使うが必ず犯人に捕らえられて危険な目にあわされてしまう。情けないなあ。大事な人をそんなことに使っちゃダメじゃないの。
2018/07/09
ヌーン
これもまた銭形平次、この中の平次は全く銭は投げませんでしたが、その代わりの推理、トリックが満載で、大変読み応えがありました 大事な人を囮に使うのも当時としてはスリルとサスペンス、物語性を増すための大事なエッセンスだったんでしょうな
2022/06/18
アキ
実際にこんな事件がおこったら「奇譚」なんだろうが、正直ほかの捕物帖との違いがよくわからない。若干の乱歩っぽさは感じるけど。
2019/10/20
猫又まこ
怪奇・伝奇・エログロな銭形平次を集めたそうな。この手のエログロでは横溝正史のお役者文七にはかなわないけど、なかなかおもしろいです。ですます調が新鮮。
2009/01/17
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