情けがからむ朱房の十手 (PHP文庫 み 14-3)
情けがからむ朱房の十手 (PHP文庫 み 14-3) / 感想・レビュー
ちゃいろ子
それぞれの作者のシリーズ物からの短編集。池波氏のは鬼平がシリーズになる前の作品。宮部氏のは初ものがたりの中の作品なので唯一読んだことがあった。この2作品以外は初めて読む作家ばかり。どの作品も面白かったが「公事宿事件書留帳」と「御宿かわせみ」は他の作品も読んでみたいなと思った。逃げ水半次、なめくじ長屋捕物帖、加田三七捕物も、やはりシリーズ化され長く続いている作品で主人公がそれそれ魅力的。ただ、やはり好みというか、最初の一文から読みやすいか否かというのはあるなぁと感じた。そこを乗りきればなんて事ないのだが。
2021/05/03
タツ フカガワ
7人の作家によるアンソロジー。宮部みゆき「鰹千両」で、最後に茂七親分が切る啖呵は何度読んでもぐっとくる。澤田ふじ子「夜の橋」は“公事宿事件書留帳”第一集からの一編で懐かしく、というよりほとんど覚えていなかったので初読みのように楽しみました。また初読の都築道夫「めんくらい凧」の主人公砂絵のセンセ―がかっこいい。シリーズ作からの抜粋のようで、他の作品も読んでみようと思います。
2020/11/23
kiho
時代小説を担う作家さんの作品集…とはいえ、読んだことのない方もいて、味わい深い一冊⭐池波正太郎さんはさすがの流れを感じるストーリー♪宮部さんもしかり…。それぞれに人の世の憂いもあれば温かい情が見えてくる…。
2015/03/27
いさらこ
堪能した!時代小説読みたい病に効きます。7人ですが半分は初作家さん。池波正太郎は既読でした。池波・平岩は安定していい。めんくらい凧は剣客商売の様。夜鷹三味線の余韻の良いこと。『どうせこいつら三尺高い木の上です』こういう物言いがいいのよね。江戸時代以前を舞台にした話と時代小説は違うのですよ。
2014/07/12
アーミー
情けがからむ捕物帳。池波正太郎、久世光彦、澤田ふじ子、都筑道夫、平岩弓枝、宮部みゆき、村上元三の7人の作家の代表作7編からなる短編集だった。時代小説の刑事ものでもある捕物帳といえば、子供の頃にテレビでみた「銭形平治」を思いだす。7つの作品はどれもこんな素敵な十手持ちが登場して、難解な事件を情けをもって解決する。どれも楽しく読める作品ばかりだった。特に宮部みゆきの「鰹千両」、平岩弓枝の「三つ橋渡った」は面白く、捕物帳の楽しさを再確認できる作品集だったと思う。
2018/07/18
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