血涙(上) 新楊家将(ようかしょう) (PHP文芸文庫)
血涙(上) 新楊家将(ようかしょう) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
W-G
楊家将の続編、というよりも楊家将が血涙の前日譚なのかというくらい、著者の筆が活きている。前半は楊家軍の復興の様と、遼の中で石幻果が台頭してくる様が描かれ、割とゆったりした流れ。石幻果が記憶を取り戻してからが一気に過熱して頁を繰る手が止まらなくなる。架空の設定が入り込む余地が大きい分、小説家の腕が振るわれているということなのか。耶律休哥が前作の楊業を凌ぐ存在感と父性を発揮し、だからこそ石幻果の苦悩も読ませる。どうしても宋の面々が喰われがちになってしまっているが、下巻での六郎との熱い一騎打ちを期待しておく。
2019/02/26
ehirano1
石幻果が自身を四朗であることを思い出した時の涙はきっと「血涙」だったと思います。残酷なプロットですが、これから石幻果(四朗)がどうしていくのかとてもとても興味深いです。
2017/05/13
いこ
「われらは、栄達を求めて、楊家軍を再興するわけではありません。楊家の誇りをかけて、立ちあがるのです。宋で最強の軍、とすべての人々に認めさせたいのです。それに対して宋は、義をもって応じてくれればよい。朝廷のために闘うことにためらいがあっても、人々のために、民のために闘うことに、ためらいはありません」う~ん、これこそ楊家の男!続編でも、かっこいい!そして「あの人」は、やはりあの人だった!!あの人が自分の出自に気づいた時の衝撃・慟哭・・・。まさに血の涙。ラスト約20頁に、タイトルの意味を嚙み締め、私も泣いた。
2020/08/05
ehirano1
耶律斜軫「・・・俺は、総帥として、ふさわしいと思うか?」、耶律休哥「ふさわしくない。そういうことを訊く、おまえはだ。・・・・男は、自分がどうあるか、自分で決めればいい」。何度も読み返す好きなシーンの1つです。
2017/10/15
ehirano1
「それでは、ほかと違わんな。違うやつは、違うように使う。(p208)」。なるほどね。これは勉強になりました。
2017/07/15
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