血涙(下) 新楊家将(ようかしょう) (PHP文芸文庫)
血涙(下) 新楊家将(ようかしょう) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
W-G
一気読み。そうか、やはり楊家軍の末路はそうなるか…。その侘しさもすごいものがあるが、やはりこの物語の主人公は耶律休哥と石幻果になるだとう。四朗を討ち、誰の追随も許さぬまま、死に様まで圧巻の耶律休哥には痺れる。そして石幻果の息子としての目線。どう見てもこの二人が別格扱い。対して楊家側は六郎、というより吹毛剣の孤軍奮闘。最期の戦から、急に宋側の人間の思惑がきな臭くなり、一気に楊家が滅びに転じるが、この辺りの裏幕はもっと描いて欲しかったところ。それとも、水滸伝に続いていくと考えればこれくらいが丁度いいのか。
2019/02/27
いこ
「楊家将」から二年後、宋と遼の領地をめぐる争いは未だ続いている。そんな中、記憶が戻った石幻果は自死しようとまで思い悩んでいた。石幻果が父と慕う耶律休哥は、命を懸け石幻果自身を取り戻す。二人の、本物の親子よりも強い結びつきには、胸を打たれる。「楊家将」では、一択で楊家軍推しだったが、本作では耶律休哥軍が魅力的に描かれている。特に耶律休哥の戦場での最期の姿には胸に迫るものがあった。また、ラストの石幻果と楊家兄弟姉妹との命がけのぶつかり合いは、涙なしには読んでいられなかった。まさに涙だらけの下巻であった。
2020/08/07
ehirano1
これは素晴らしい!ハードボイルド作家に歴史小説を書かせるとここまで凄くなるのか、という印象を受けました。圧巻圧倒によりページを捲る手が止まりません、そして電車は当然乗り過ごす(苦笑)。この余韻はしばらく引きそうにありません。お勧めです。
2017/05/13
ehirano1
再読。最終ページ、「・・・そしていま、草に抱かれて眠っています。不世出の、男の中の男たちが」は泣きそうになります。簫希姫が草原にしか外出しないのは、草に抱かれて眠っている男たちに会いに来ているんですよね。なんだかその気持ちわかります。
2017/06/20
Kircheis
★★★★☆ 下巻でもやはり石幻果の存在感はピカイチ。 でも本当の主役は吸毛剣だったりする。 最後は切なく、モヤモヤとした気持ちが残る。
2018/01/07
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