北条氏照 秀吉に挑んだ義将 (PHP文庫)
北条氏照 秀吉に挑んだ義将 (PHP文庫) / 感想・レビュー
roatsu
北条家中にて軍人・外交官として卓越していた氏照公の生涯と、永禄以後の同家が辿った歴史も追えて勉強になる作品。小説的な脚色は抑えられているが、実在の人物達とその時代を描かせてもらうのであれば本作の様なアプローチが誠実な姿勢だと思う。宗瑞以来の禄寿応穏の理想を掲げ領国統治を行う北条家の”義”を体現する人物として奮闘する氏照と、理想通りにはいかない人間の本性である”利”という行動原理で推移した大局の相克と結末は悲しい。しかし敗れたりとはいえ節を全うした名将の清々しい軌跡は読み手に勇気を与えてくれる。
2018/03/03
金吾
北条氏を主人公にしている本をあまり読んだことがないため、北条氏の視点からの御館の乱や天正壬午の乱、小田原成敗は新鮮でした。
2021/04/23
ニックス
北条氏照が主人公の本。伊東潤の北条記の一つ。百名城の一つ八王子城は北条氏照が築城し、その最期は悲劇的だったことから、文中に八王子城も出てくる。私は八王子城に行った後にこの本を読んだため、八王子城の情景といった際に読んだ資料を見ていたため、その点でこの本を面白く読めた。なので八王子城に行ってからこの本を読むと面白さが増すと思う。星3
2021/09/18
まゆっち
先日北条五代を読んだばかりなので流れで読みました。猛将というイメージが強かったですが、いろいろ悩んだり考えたりしてたんだな、と違う一面もかいまみえました。
2021/02/17
黒猫
秀吉に挑み破れ去った北条が好きです。島津の第一次戸次川合戦のような派手な勝ちはなく、ひたすら関八州の防衛に固執しているイメージがありましたが、早雲からの掟を愚直なまでに継承し、氏康により人心を掴み、氏政氏直が安定した政権を確立します。機内で何が起ころうとも、関東地方の人民を守ることを第一としたため、北条は100年にわたり独立国として関東に覇を唱えることが出来たんでしょう。名門北条が田舎侍の秀吉に頭を垂れることなどできなかったはずです。氏照はそんな武士の思い、坂東武者の思いを具現して関東に散ったのです!
2016/05/09
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