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即身仏(ミイラ)の殺人 (PHP文芸文庫)

即身仏(ミイラ)の殺人 (PHP文芸文庫)

即身仏(ミイラ)の殺人 (PHP文芸文庫)

作家
高橋克彦
出版社
PHP研究所
発売日
2011-03-15
ISBN
9784569676142
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即身仏(ミイラ)の殺人 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー

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HANA

映画撮影現場で未発見の即身仏が発見される。その即身仏を巡って……。という掴みは最高なんだけど、その後が続いていないような。全体的に薄い印象を受けるんだよなあ。頁数じゃなくて、ミステリとしての質が。同様のテーマの『湯殿山麓呪い村』が怖いのは、即身仏やそれにまつわる部分を外連味たっぷりに描いているからだろう。こちらは素材自体があまりにも魅力的なのに、料理自体に失敗してしまったような感じ。肝心の木乃伊のバックボーンにしても、最後のさわりだけで触れたようになってしまっているし。好きなテーマだけに実に勿体ない。

2017/04/30

Kumisuke92

このタイトルに抵抗感はありつつも、、、さすが高橋克彦の歴史ミステリー。羽黒山と湯殿山の対立(天台宗と真言宗)、空海の真言宗が即身仏を通じて差別性を強調していたため、このあたりで即身仏が多いのだという薀蓄には納得だ。羽黒山の名の由来は蜂子王子の前に現れた大烏から。烏の羽の色にちなんで命名されたんだとか。殺人事件の謎はともかく、東北の即身仏の歴史がわかって、面白かった。

2016/03/29

makersat

塔馬双太郎シリーズの一冊。どちらかというと長山作治シリーズと言った方がいいかもしれない。作者の他作品『南朝迷路』同様に、チョーサク・リサが事件に翻弄され続けた後に、トーマが登場して快刀乱麻の推理を開陳する流れの作品だった。パンドラ・ケースの後に読むと、チョーサクもオケイも成長したものだなぁと微笑ましい気持ちになる。いや、彼ら四十代ですが、ついね。本作では、出羽三山の中の湯殿山を中心に、即身仏を巡る事件に焦点が当たる。即身仏や仏教への知識欲を満たしつつ、欲に塗れた人間の業を探りつつ、高橋氏らしい筆致の作品。

2016/05/13

山形の出羽三山が東北屈指の霊場と呼ばれる様になった経緯がよく分かった。同じミイラでも目的の違いで、即身仏と弥勒信仰によるものとでは性質が全く異なるということや、廃仏毀釈当時の各寺社の力関係等々盛り沢山。歴史を絡めたミステリは知識欲を満たしてくれるから満足度は必然的に高くなる。温泉、地元名産の料理、神社仏閣巡り、歴史トリビアで旅情も満点。殺人事件はおまけです。チョーサクの鬱陶しさも塔馬双太郎の爽やかさを引き立ててくれてると思えば、いいキャラだと思える…かな。

2014/12/15

horuso

リサ&チョーサクシリーズの最後。これで終わりかと思えばちょっと寂しい。出羽三山、即身仏、神社などに関する知識が得られてためになるが、ミステリとしては…。

2014/12/13

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