近代文明はなぜ限界なのか (PHP文庫 い 28-8)
近代文明はなぜ限界なのか (PHP文庫 い 28-8) / 感想・レビュー
rakim
少なくとも40代以上の人なら、生きてきた時間の中で急速に変化していく便利さ(それを文明というかどうかはともかく・・携帯電話やPCなどの普及でコミュニケーションの在り方まで・・)、突然ふりかかる天災、未曽有の人災、等に一度は「空恐ろしい」感覚って持ったことがあるのではないでしょうか。世界を見渡したところで見える異常さは実は足元で忘れられている、善の定義、思想。色々なキーワードを提示してもらったような気がします。多少説教くさい部分は流し読み。。
2013/08/19
Lila Eule
デカルトは理性が支配と言うが、理性といいながら裏側に欲望がある。近代文明の本質は欲望の無限解放と。自然破壊と同時に人間破壊が起きた。国益至上は誤りと。利他の心で人類全体の益を考えねば。親鸞は自利利他と。分かち合わねば生きられぬ。キリスト教徒は算盤とバイブルをもっていたのにいつしかバイブルを忘れていると。恵みは万人のものとできないものか。
2014/10/22
kousei
知の巨人哲学者と経済界重鎮対談集、平易な文章で読み易い。前半やっぱり理想論だなと感じ中盤で世界連邦政府樹立の話しと国家がなくなれば文明は継続するのかと感銘、でも後半とあとがきで鼻白む。自分たちは成功者だと言ってしまっている。
2017/03/24
禅・しんじ
人間を滅ぼすのは傲慢である。己を愛するは、よからぬことの第一なり。EUに対するAU(アジア共同体)を唱える哲学者と、auを創設した稲盛氏の対談本は、心の管理や哲学の本として楽しめる。欲望を抑え込むには、芸術をもっと活用する、というメッセージは、自分の迷いを溶かす作用があった。「われ思う、ゆえにわれあり」(デカルト)に始まる現代社会の進歩主義や金融工学や文明人にあらざれば人にあらずという風潮を批判する。利他になれない小生ですが、無私になり天の啓示を感知したいと思えたので、これは十分価値がある本だと思った。
2013/11/15
廣瀬隆夫
常に前進していなければ満足しない進歩病が人間を欲望の奴隷にしているという主張には同感。走り続けていたらいつかは倒れる。立ち止まって考える時間が必要。
2013/06/06
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