黄蝶舞う (PHP文芸文庫)
黄蝶舞う (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
ジンベエ親分
鎌倉時代初期を描いた連作短編集。著者はこの他に源平の闘いを舞台にした「君の名残を」という名作があるが、昨年の大当たりした大河ドラマにあやかってもっと注目され読まれても良い作品だと思う。史実を巧みに織り交ぜながらも、物語の主題は怨念という超自然であり、むしろ解説で述べられているとおり、「怨念話」に巧みに史実を織り込むことによってリアリティを持たせる手法に思え、その筆致には圧倒された。それにしても本作の人物像と昨年の大河ドラマでのそれが比較的無理なく被るのは偶然なのか?大河ドラマの裏設定のようで興味深い。
2023/09/10
鍵ちゃん
頼家、頼家、実朝ら源将軍家の闇に光を当て、ベールに覆われた悲劇を鮮やかに描ききった幻想連作短篇集。頼朝と清盛の相剋、謎に包まれた頼朝の死をめくる困縁を、描く「されこうべ亅、「修禅寺物語亅に想を得た「双樹亅、実朝暗殺事件を実朝、公暁双方の生活からドラマチックに迫る「黃蝶舞う亅と「非鬼の娘亅、頼家と実朝の実姉、大姫の儚い生を描く「空蝉亅の5篇を収録。戦国、江戸時代など話になることが多い中、鎌倉時代初期の話が私の中では貴重で新鮮でした。
2020/10/13
鯖
幻想的な源氏三代滅亡の記録。京極夏彦の「狂骨の夢」を彷彿とさせるところもあり、戦国以降の武士たちが源氏の末裔を自称したがるのは荒ぶる源氏が滅んでて神格化するのに都合がよかったのかもなあと思ったり。大姫もちまちまと身内に祟ってないで、母上の御実家にガツンと祟りにいってもいいんですよ…。
2015/04/18
紅(mokomoon)
図書館☆ 史実と独自の解釈を連ねた短編集なんかな? 読み込めなかったからかなさっぱり意図が解らなかったです(>_<)
2013/12/23
そろけん
頼朝、頼家、実朝の源家三代の裏の部分に光を当てた幻想短編集。清盛の怨念に苦しむ頼朝の姿が幻想的に描かれており、手段を選ばすに勝利した為政者が得たものは結局何だったのか?いま他国への侵攻を続けている某国の為政者に読ませたい。暴力で世界を変えても因果応報は必めぐってくる!過去と同じ過ちを繰り返さないことが歴史を学ぶ一つの理由だと思う。
2022/10/11
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