まいなす (PHP文芸文庫)
まいなす (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
nins
帯の「タイムマシンもタイムトリップも使わず、過去を変える方法とは?」にも気になって一気に読了。クラスメイトの我がままにも何も言えず、周りに流される性格の那須舞、14歳。あだ名がマイナスという名前のコンプレックスも感じながら生活する毎日。そんな舞がクラスメイトのお願いから巻き込まれていく事件。ミステリ的には軽め。事件よりも、ドルフィンジョークというどれだけ面白い答えを見つけるかがなかなか。正解も不正解もない問答。イルカと猫の違いは?公園に隠れているイルカを見つけるには?これだけで面白い。
2013/01/30
nemuro
“しりとり読書”の71作目。「著者グラフ・全期間」によれば『狩野俊介の事件簿』(2010年6月27日読了)から『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』(2019年12月20日再読)まで18冊(17作品)。樋口有介(28冊)、松岡圭祐(20冊)に続き第3位。随分読んでいて吃驚。<狩野俊介><ミステリなふたり><甘栗>などシリーズ作品が多いことに起因するのだろう。しっかり者の那須舞(14歳)が活躍の青春ミステリー。読後感も佳かった。『スロウハイツの神様』に続き選んだ本書。シマッタ!また「す」から始まる本に戻ってしまった。
2022/05/30
rio
明るくしっかり者の14歳の舞は、不思議な伝説のある山で少年を助ける。その少年が未来を予言したことを契機に、奇妙な事件が起こる青春ミステリー。一見ファンタジーの様でもありますが、現実を見据えた少女の成長物語で、舞を取り巻く状況が重く、学校の体制や、友達との付き合い方、人には言えないコンプレックス等、多くのことを通じて成長する舞の等身大の姿に元気をもらえます。「タイムスリップを使わずに過去を変える方法」には興味を覚えました。思わず微笑んでしまう読後感も良かったです。
2014/10/05
にゃんころ
久しぶりの太田忠司作品。主人公・舞の考え方にはちょっと共感できたので、サクサクと読み進められました。ただ、その周囲の人々、特に先輩二人と茅香の身勝手さには辟易させられて、これは作者に乗せられたかなと。ミステリー部分についてはアッサリテイストなので、そこを重視していると物足りないかも。個人的に、ミステリーの形を取った、主人公の成長物語だったと思います。そして、改めて太田氏作品は好きだなぁと感じた作品でもありました。
2013/07/02
マッちゃま
那須 舞は友達から まいなす と呼ばれるのが嫌だが、それを言わない女の子。タイムトリップな言い伝えがある時渡りの祠で倒れていた少年を助けた舞。その少年は「未来を見た」と言う。少年の預言は本物か?14歳の少女が解き明かす真実とは…なんて書いちゃうと、この物語の良さは伝わりにくい。叔父が舞に出した質問「タイムトリップしなくても過去を変える方法とは?」その問いの答えは実に心温まる言葉でした。舞も、最初は少し変わった娘ってイメージから段々とそれが舞の個性なんだと理解でき、本書は舞の青春ミステリでもありました。
2019/05/16
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