去年はいい年になるだろう(下) (PHP文芸文庫)
去年はいい年になるだろう(下) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
きっしぃ
多くの天災や、戦争から人命を救うガーディアンだったが、ガーディアンが来たことによって、本来の人生での幸運が失われたり、思いもよらない事件、事故に巻き込まれ不幸になる人も。山本弘自身も、仕事がなくなり、妻との関係に溝が出来ていた。人間の行動は本当に複雑だ。未来の自分からのメッセージが来たらそれに従う?もし過去の自分にメッセージが送れたら何を伝える?自分だったら…と色々考えてしまうー。
2018/11/03
dr2006
情動に駆られ理屈に合わない事をする人間と論理的な思考で間違いを全て排除するアンドロイド。両者はより良い未来を望んで行動する点では一緒だ。未来から来たアンドロイドは戦争や自然災害を避ける為の情報をもたらした。だが戦争や災害が無くなっても全ての人が幸せにはならない。本来知るはずのない未来を知り歴史を変えたことで新たな世界へ分岐するからだ。元の歴史より酷い戦争が起きるかもしれないのだ。人は他のパラレルワールドの人を観測出来ない。昨今の生成AIは過去の情報を元にしているが、実は別の未来からの情報だったらどうする?
2024/04/03
リキヨシオ
米連続テロ阻止、独裁国家の平和的解体、インドネシアの大地震や日本の大震災の予言と対策、その時に死ぬはずの大勢の人間を救うガーディアンは、人間を愛し守りたいがゆえに、もっとも最善で効率的な行動をとっていくが、人類を超越した価値観のもと完璧で限りなく正論ばかり行動に懐疑心を抱くのもまた人類。1つの出来事を阻止するごとに想定外の出来事が発生し、不幸になる人が救われ幸せだった人が不幸になっていく…いつしか「歴史を変えくれと誰が頼んだ!」と人類の叫び共に恐ろしいタイムパラドックスも発生!後半からは怒涛の展開だった!
2015/08/14
緋莢
多くの死傷者を出すはずだったテロ、戦争を未然に防ぎ、大災害が起こる事を警告する事で人々を救ったガーディアン。だが、歴史が変わった事で、本来起こるはずのない事故が起こり、犠牲となる人々も出始める。「歴史を変えてくれと誰が頼んだ?」反ガーディアンを標榜する人々も増える中、思わぬ悲劇が山本を襲う!
2015/09/13
ソラ
歴史改変を軸としたSF。ただ、SFしながらも私小説的な部分があってちょっと珍しいかも。真ん中ぐらいまでゆるゆると展開していくが、後半は一気に話が進む。そして、エピローグが良かった。あれが無かったらいい気分で読み終えられなかった
2013/01/03
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