「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫)
「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
遥かなる想い
日本中が白黒テレビの前でボクシングに熱狂した 時代が確かにあった。「あしたのジョー」に夢中になり、未来に希望を抱いていた…そんな時代背景を百田直樹がファイティング 原田を題材に骨太に描く。白石義男からファイティング 原田に繋がれた日本人の想いのようなものが伝わってくる。ボクシングに 夢をかけ、破れ去った者と勝ち取った者のわずかな 差は一体何だったのか。まるで沢木耕太郎のスポーツ ノンフィクションを読む時のような 陶酔感を味わいながら、 知らなかったボクサーたちの 苦闘の日々に思いを馳せる…そんな本だった。
2015/02/14
射手座の天使あきちゃん
「事実は小説より奇なり」こんな言葉を思い出させる物語でした。 正直ボクシングって興味ありませんでしたが、金と名誉と情熱のすべてを賭けて戦い、戦後の時代を一息に駆け抜けたボクサー達の数奇な運命と迫力のファイトシーンを堪能しました。 万人受けはしない作品かも?ですね(笑)。
2014/05/17
再び読書
著者の思い入れがよくわかる。この時代の王者が如何に価値があるのかもよくわかる。まさか今の王者数が当時の9倍近い数字とは驚く。またファイティング原田の生き様も心に残った。もう少し心情的なものを掘り下げてもいいかと思うが、多分にこの時代の男の潔さが弱音を含めた本音を語らない美学に基づいた事なのかも知れない。「黄金のバンタム」ジョフレを含むチャンピオンの人としての偉大さにも関心させられる。日本人としては白井義男や矢尾板貞雄の生き様にこころを討たれる。日本人ボクサーに感動しました。
2015/02/19
佐々陽太朗(K.Tsubota)
人生というものはわからない。様々な人々の縁が交錯し、偶然が引き起こした出来事が人の運命を大きく左右する。どれほど思いを遂げようと努力を重ねても、運命の女神が微笑んでくれなければ、その努力も無に帰してしまう。ファイティング原田は誰よりも厳しい減量をし、強くなる工夫と努力をし続けたボクサーだ。現役の間は己のすべてをボクシングに捧げた男。そんな原田に対しては、いかな気まぐれな女神も微笑まざるをえなかったのでは無いか。そう信じたい。百田さんの興奮した気持ちがひしひしと伝わってきました。素晴らしいノンフィクション。
2014/03/03
gonta19
2012/11/19 Amazonより届く。 2020/7/1〜7/4 日本ボクシングの黎明期のチャンピオン達をファイティング原田さんを中心に描くノンフィクション。いやいや、凄い人たちだ。昔のチャンピオンの価値は今からは想像もできないな。これを書く前にYou tubeで原田さんの試合を見たが、今のボクシングとは異質な戦いであった。異質ではあるが、より野生に訴えるモノで、今と同じスポーツではないのかもしれない。
2020/07/04
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