相棒
相棒 / 感想・レビュー
えにくす
★4.3 幕末動乱の最中、大政奉還を決意した徳川慶喜が狙撃された。この非常事態に幕閣は、坂本龍馬と土方歳三に犯人捜索を命じる。宿敵同士の有り得ない凸凹コンビは、いがみ合いながらも協力して、薩摩の西郷隆盛、長州の桂小五郎、公家の岩倉具視ら幕末オールスターの英傑相手に、京都で命懸けの捜査を行う。その過程で二人の距離が、徐々に縮まって行くのが良い。果たして将軍暗殺を企てた黒幕は? その後に起こった、龍馬暗殺事件の衝撃の真相とは。最後は感動のシーンが展開し、予想し得ない結末が待っている。歴史エンタメ大作の傑作だ!
2021/12/28
茜
大政奉還を間近に控えた京の都で、将軍・徳川慶喜の暗殺未遂事件が発生。二条城に呼ばれ、老中からその犯人探索の密命を受けたのが、「坂本龍馬」と、宿敵である新選組の「土方歳三」。二人はバディとなり、時にいがみ合い、協力しながら、犯人探しを開始する。水と油の二人のバディぶりが面白くてページを捲りました。私は新選組が大好きなので凄く面白かったです。坂本龍馬はどちらかというとあまり好きではなかったのですが、この作品に関しては飄々としていて好感を持ちました。ラストもまた良い。五十嵐貴久先生のアイディアに脱帽です。
2021/12/20
財布にジャック
土方さんと龍馬さんがコンビを組むっていうのが、もう夢のようで、読んでいる間中ニヤニヤしっぱなしでした。史実を踏まえながらも、五十嵐さんの新解釈が楽しめて、本当にこうだったらいいなぁってラストににっこりして本を閉じました。そして、西郷さん、桂さん、中岡さん、陸奥さん、岩倉さん、近藤さん、沖田さん、斉藤さんと登場人物も豪華で序盤は幕末苦手だと退屈してしまうかもしれませんが、幕末好きには堪らない作品だと思います。土方さ~~ん、やっぱり大好きです!
2011/05/17
ケロリーヌ@ベルばら同盟
奇才、人誑しで天衣無縫の大男、坂本龍馬、キレッキレの美貌で凄腕で、ガラの悪い土方歳三、不倶戴天の敵であるはずの二人が、バディを組み京の町を駆け回る。時は大政奉還前夜。朝廷に政権を返上しても、徳川の名を残し、戦を回避したい幕閣と、武力による倒幕を目論む薩長との間の緊張が高まる中、西郷隆盛との密談に向かう将軍徳川慶喜の行列が狙撃された。国の行く末を左右する一大事に、坂本、土方は二日で首謀者を特定せよとの密命を受ける。史実の中に思いっきり虚構を落とし込んだ、痛快なエンターテインメント時代劇。何度読んでも面白い。
2022/01/03
えみ
さもありなんむべなるかな。「相棒」という言葉がしっくりくる。他にこの二人の関係をどう表現できたであろうか。新選組の鬼の副長と恐れられる土方歳三と、大政奉還の立役者である坂本龍馬。徳川慶喜暗殺未遂事件の探索のため、今ここに歴史の弊害を看破し、動乱近づく京の都で最高の相棒となる!幕末の志士たちの動向、各藩の思惑、時世の流れ…正反対の二人がお互いに認め合ったとき、歴史は動き出す。誰が何のために?そして龍馬暗殺の真相とは。何と言っても歳三の死後、新選組・斎藤一の流した涙がこの一冊の奇跡と感動の全てを表していた。
2021/07/11
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