ネットいじめ (PHP新書 537)
ネットいじめ (PHP新書 537) / 感想・レビュー
林 一歩
匿名性による悪意の増長は、加害者側が無意識のうちに歯止めが効かなくなる怖さがあると思っていた。逆に、LINEといった閉じたグループ内でも同様の恐ろしさがあり、此方の方がより罪は重いだろう。最近、某掲示板で見かけた、特定個人に対するネットによる暴力が増長していく様をみて、性善説は無いなと思った次第。
2013/08/07
katoyann
2007年刊。学校裏サイトがいじめの温床になっているかのような、インターネットメディアを有害だとする言説に対して懐疑的な見解を示している。いじめの多くはローカルなコミュニティにおけるコミュニケーションの問題にその原因を求められることが多く、技術の進展がいじめの要因になっているかのような議論は誤りだとする。確かに利用規制やフィルタリングがネットいじめ対策に有効だという説は確立しておらず、旭川の事件のようにむしろ悪質化しているという現状がある。ローカルなコミュニティの構造変化に目を向けるべきという考察だ。
2024/03/13
takeapple
「学校裏サイト」規制から始まるフィルタリングその他のネットは危ないから子どもに使わせないと言う言説を実際に「学校裏サイト」を多く見てきた著者が理路整然と論破したものである。今ではLineの登場、スマホの普及によって「学校裏サイト」やプロフをやる子どもも減っているのかな。でもいつの時代でも子どもは新しい文化への適応も早く、上手に使いこなすようになる。禁止ではなく、以下にうまく使い倒すかが大切なのだろう。
2019/10/20
takizawa
本書では,「ネット=悪」というような単純図式への批判がなされている。もともと人はある程度のキャラの使い分けを行いつつも一貫性があるかのような振る舞いを必要としてきた。そこに登場した携帯やネットは,キャラ分けニーズを的確にサポートしてくれる。そして,学校空間でのキャラがweb上のツールを通じて簡単に温存され,ネットいじり,ネットいじめなどの形で可視化されるのだ。(pp.215-224)
2010/03/24
ケー
しっかりと調査、インタビューを行っているように思えた。日頃テレビや評論家のいうネットの問題点に異議を唱え、しっかりと答えてくれた気がする。
2012/10/13
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