心と響き合う読書案内 (PHP新書 578)
心と響き合う読書案内 (PHP新書 578) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
小川洋子さんの読書案内。ラジオ番組の文字化らしい。全部で52冊(既読は30冊)。まえがきに「相手が同じ本を読んでいれば、話はいっそう盛り上がるでしょう。たった1冊の本で、ほかでは得られない一体感を味わうことができるのです」とあるが、これは全く読書メーターそのもの。そして、彼女は作家としてきわめて優れていると同時に、また練達の読者でもあることがよくわかる。とりわけ目を開かれたのがカフカの『変身』において、人間と労働の関係に着目しているところ。しかも、それを「報われない不幸な関係」として見事に喝破している。
2015/02/05
ハイランド
日曜日の朝、ラジオから流れる「Melodious Library」。古今東西の小説を毎週一冊、小川洋子氏が紹介してくれる番組の一年分を掲載した一冊。困った、どんどん読みたい本が増えてくる。既読の本の紹介でも、新たな視点を提示してくれるから聞き逃せない。『銀河鉄道の夜』の紹介で「ほかの作家たちが手をとりあって星座の形をなしている中で、賢治だけは誰とも手をつなぐことなく、孤塁を守って、まったく独自な視点で小説を書いた人」とある。現役の小説家だからこその美しい表現。読む本は増えるけど次は「みんなの図書室」かな。
2018/11/28
おいしゃん
選書が素敵!小川洋子さんのラジオ番組を書籍化した本だが、優しく語りかけるようなそれぞれの本の解説が、いい。さらに本に合わせたBGMの選曲も面白い。調べたら、今でも毎週日曜に、東京FMで放送中とのこと。よし、早速聴いてみよう。
2015/02/26
AKIKO-WILL
小川さんがラジオで四季に合わせて13冊ずつ計52冊を1年間で紹介したのを文庫化したこの本!選んだ本も多岐にわたり、日本文学や外国文学、絵本、古典など範囲も広いです。52冊のうち5冊位しか読んだ事ないけど、読んだ事ない本はもちろん一度読んだ本でも小川さんの解説に再び読みたくなる。小川さんもオススメした武田百合子さんの『富士日記』が気になります。やはり好きな作家さんがオススメする本は外れはないはず。読みたい本が増える一方です。
2016/03/01
TakaUP48
TOKYOFMの「メロディアス ライブラリー」をぼんやりと聞いていたら、宮部みゆきの「火車」をグイグイと推し進める著者の声が聞こえた。読んでみたい!という興味を持つには十二分な熱量だった。やや昔、放送した62編の小説の紹介。自分が昔々に読んだ本との再会。もう一度読んだら、受け取り方や感じ方が違っているだろう!と思わせてくれた本の数々。大岡昇平「ながい旅」、藤原てい「流れる星は生きている」、村上春樹「風の歌を聴け」、中勘助「銀の匙」、カフカ「変身」、ヘッセ「車輪の下」らに再読できたら、嬉しいと思った。
2022/11/20
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