妖恋(ようれん) (PHP文芸文庫)
妖恋(ようれん) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
YM
恋とは夢か幻か。今日もあなたに会えるでしょうか。。
2015/04/04
優希
江戸の四季の風物に彩られた恋が妖しくも切なかったです。時に狂気すら感じさせ、気がつくと目の前にある世界が彼岸になっている風景が怖いけれど心地良かったです。曖昧な境界線、踏み越える恐ろしさ。現が幻になり幻が現になる妖艶な世界。甘美なる闇に誘われ、描かれている恋に魅せられるのでしょう。迷い続けて終わらない世界に浸る感覚が何とも言えない気分にさせますね。
2014/12/17
mii22.
現実と幻想の境界を往来するような妖しく艶やかな江戸の恋物語7篇。日本語の豊かさ美しさを感じながら粋な江戸の生活とそこで繰り広げられる命をかけた男女の恋に酔わされる。題名も言葉の響きも美しい流麗で情緒的な文章表現は日本美そのもの。
2016/11/21
tomoko
皆川さんの時代物は初めて読んだ。七つの短編だが、幻想的で妖しく儚く、そして美しい。蛍や朝顔、菊などが、色恋の切なさ、季節感、絶望感を際立たせている。皆川さんが紡ぐ様々な言葉、語句の美しさは、日本語でなければ表現できないだろうな…と思いながら、その世界に引き込まれていった。
2019/07/14
絹恵
此岸に立つ者と彼岸に立つ者は交じり逢うことは許されないけれど、万有引力がはたらくように惹かれるのだと思います。面差しを思い出して何度も死という完成した思いに身を沈めます。それでも美しさはここにある、だから桜のひとひらが舞う姿を見つめ惜しみながら、桜に恋をする儚さを胸に生きて行くのだろう、この狂気の世界で。
2014/07/19
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