黒南風(くろはえ)の海 「文禄・慶長の役」異聞 (PHP文芸文庫)
黒南風(くろはえ)の海 「文禄・慶長の役」異聞 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
ちゃま坊
飯嶋和一「星夜航行」で朝鮮出兵が気になった。日本と朝鮮の関係がうまくない今、ちょっと気になる歴史。加藤清正と小西行長の対比は後の関ケ原につながるのだろうか。降倭と附逆という言葉を覚えた。敵が味方となり味方が敵となる。日本軍、朝鮮軍、明国軍の3ヶ国が関係した戦だが、戦場となった朝鮮の民が一番の被害者か。
2019/10/14
ウィズ
やっぱりどんなことがあっても、戦争はいかんと思いました。
2014/01/04
ひろ
「文禄・慶長の役」という難しいテーマをよくぞ描いてくれた、というのが第一声。大義名分もないまま異国の地で戦わなければならない武将たちの苦難は想像を絶するものがあるが、嘉兵衛と金宦という立場の異なる二人が祖国を捨てて民のために生きる決意が美しく、物語を際立たせている。秀吉の命に逆らえない中で、戦を丸く収めようと奔走する加藤清正にも好感が持てた。侵略戦争がいかに人を不幸にするか、日本の歴史が犯した過ちを見つめ直す意味でも深い一冊だと思う。
2015/04/11
金吾
朝鮮の役はあまり小説になっていない題材ですので興味をもって読むことができました。戦争の悲惨さややるせなさが伝わります。善玉・悪玉がはっきりしていますが、小説なのでそれもまたよしと感じました。
2021/05/20
TheWho
秀吉の朝鮮出兵の際、加藤清正の配下で、その後降倭として朝鮮の伝説の英雄沙也可こと金忠義と、同じく加藤清正により、日本に連れて来られた附逆朝鮮人である金宦、伝説の二人を主人公に文禄・慶長の役を描く戦国絵巻。文禄・慶長の役は、池宮彰一郎の「島津奔る」で島津義弘、白石一郎の「海将」で小西行長とそれぞれの目線で語られていたが、本作は、よりリアルに当時の朝鮮の内情を描写し、文禄・慶長の役での朝鮮の悲劇を切実に語っている。文禄・慶長の役の大義はともかく異国での戦国絵巻を情緒深く描写している一冊です。
2016/03/23
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